ローカル、エシブル、高収益にSDGs… 良品計画が新中期計画でめざす“独自の姿”と浮上する課題を徹底分析

椎名則夫(アナリスト)
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現中計の拡大志向から一転、地域に根を張りながらグローバル志向進める

無印良品で初めてぬか床の奥深さに触れた(写真と本文は関係ありません)
ローカライズ、個店主義を強める無印良品(写真は無印良品直江津)

 では改めて新中期計画の骨子を筆者なりに解釈しましょう。

 良品計画の狙いは、まずサステナブル(持続可能)な地域社会の担い手としての立ち位置を明確化し、共感するサプライヤー・従業員・消費者を囲むことにありそうです。そのためには商品の価値を再定義し、商品・サービスをブランディングし直し、最低価格ではなくリーズナブルでエシカルな価格を受け入れてもらう。必要な場合は地産地消も促進する。そして、その対価として得られる適正利潤の一部をローカライズした従業員主導で地元に還元し、従業員のやり甲斐を満たすと同時に、可視化された地元還元を通してロイヤルカスタマーの支持を強める。このようなバリューチェーンを構築したいのだと考えます。単なる規模のパワーゲームとは一線を画し、MUJIのコンセプトを基底に地域地域にしぶとく根を張る戦略であり、現中期計画の規模志向から路線の変更になると思います。これは一見生協の活動に似ていますが、生協よりも利益を重視し、グローバル志向を貫くことになるのでしょう。

 筆者はかねてから「わけあって少し高い」路線を意識的に進めるべきだと考えていましたので、今回の発表がとても気になりました。しかし、社会的価値と利潤追求の両立、あるべき売上構成、従業員のモチベーション、海外での展開、株主の支持確保など、確認したい事項も数多くありますので、きたる中期計画の詳細発表を楽しみに待ちたいと考えます。MUJIの価値観をKPIに多面的に落とし込むことができれば、共感する株主作りも可能でしょう。また、地域特性を活かした住宅リユース・リフォーム事業の拡大に繋げられるとさらに面白いと思います。

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