ベイクルーズ野田晋作副社長が語る!EC売上500億円突破、勝ち残るアパレル企業の深化形とは 

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EC部門に専門人材とエース級人材が150人超

 アパレル業界におけるEC黎明期での本格的なEC参入は、決して順調に進んだとはいえなかった。ベイクルーズでは自前ECサイトだけでなく、ZOZOTOWNにも出店しながら試行錯誤を繰り返した。各ブランド、ECでバラバラだった会員基盤を紐づけ、統合する一方で、リアル店舗とECの物流の統合や在庫の一元化にも踏み切った。着々と布石を打ち、自前のEC売上高は急激に拡大していった。現在に至るまでECの主戦場は直営サイトとなっている。

野田氏 他のECモールに出店するとそのモールが行う独自の販促施策が行われることがあります。その結果、お客さまの「体験価値」を棄損することもあります。値引きはその最たる例。同じ商品が値引き販売されていては、プロパーで購入した顧客に申し訳が立たないわけです。われわれはそもそもお店で販売員がフェーストゥーフェースでお客さまとコミュニケーションすることで体験価値を生み出してきたし、それが強み。それと同じぐらいの体験価値をデジタルの中でも提供すべきと考えています。そうなると自社で開発した方がいいのは自明です。

 ベイクルーズのECが伸びている背景には、“デジタル人材”の採用を進め、自前の巨大チームを作り上げたことがある。エンジニア、データアナリスト、ディレクター、マーケッターなどを自前で揃えEC専門の組織を結成。その数は70人におよび、さらに店舗運営事業部門のエース級が100人以上招集され、ブランドを横断する強力なチームが組織された。

 そこで得た知見を広告、メール、ソーシャルメディア、アプリなどに最大限活用することで、購買につなげていく。広告による集客は、直近では週300万人、メール経由が160万人、ソーシャルメディア120万人という圧倒的な規模だ。加えて店舗に来店した顧客にも状況次第ではあえてECでの購買を推奨するなど、トータルでムラのない販売体制を整備した。

 野田氏 EC部門の強化をする以上、付け焼刃ではEC専業会社にはかないません。そこでECサイトを強化すべく、内製化のためにエンジニアからデータサイエンティスト、アナリスト、マーケターなどを専門の採用チームで採用しました。数にして50人以上。加えて、EC事業を統括する部門であるEC統括には店舗運営というセールスチームとして戦略を考える人間も100人以上いるので、全部で240人ほどになります。店舗運営の人間は、ここで得た情報をブランド運営にもフィードバックし、MD戦略や販売戦略に生かしています。

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