食品スーパー業界相関図 イオン、セブン&アイ、異業種まで巻き込み再編活発に

森田俊一(流通ジャーナリスト、 松岡由希子(フリーランスライター)、ダイヤモンド・チェーンストア編集部
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相関図大

食品スーパー(SM)業界では、イオン(千葉県)が各エリアで行ってきたSM事業会社を中心とする大規模再編がすべて完了。また、セブン&アイ・ホールディングス(東京都:以下セブン&アイ)や西友(東京都)などの大手企業からリージョナル、ローカルチェーンでも大小さまざまな経営体制の刷新が行われた。IT企業やドラッグストア(DgS)といった異業種・異業態がSMを買収するという新たな動きもあり、以前に増して勢力図は混沌としはじめている。

大手からローカルまで再編続々!SMの枠を超えた合従連衡の動きも

 2018年10月に「スーパーマーケット改革」を打ち出し、全国6のエリアでSMや総合スーパーの事業会社14社の大規模再編を進めてきたのがイオンだ。

 グループ内再編を整理しながら振り返ると、北海道では20年3月にイオン北海道がマックスバリュ北海道を吸収合併。東北エリアでは同じく20年3月にイオンがマックスバリュ東北(秋田県)を完全子会社化したうえでイオンリテール東北カンパニーの食品部門を移行し、イオン東北(秋田県)に商号を変更した。なお今年3月には、イオンリテール東北カンパニーの非食品部門(イオンリテール東北事業本部)も9月をめどにイオン東北に統合する計画が発表されている。

イオンモールの外観
2年超をかけて行われたイオンの「SM改革」は完了、今後のシナジー創出が注目される。千葉市で2016年11月撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

 東海エリアでは、マックスバリュ東海(静岡県)とマックスバリュ中部(愛知県)が19年9月に経営統合、近畿エリアでは20年3月に光洋(大阪府)がダイエー(東京都)の完全子会社となった。

 中国・四国エリアでは、19年3月にマックスバリュ西日本(広島県)がマルナカ(香川県)と山陽マルナカ(岡山県)の2社を完全子会社化したうえで、今年3月にマックスバリュ西日本を存続会社とする3社の経営統合を完了している。九州エリアでは、20年9月にイオン九州(福岡県)、マックスバリュ九州(同)、イオンストア九州(同)の3社について、イオン九州を存続会社とする経営統合が行われた。

 かくして、2年超をかけて行われたイオンの「SM改革」は完了。今後は各エリアで新たな体制のもと、いかに統合シナジーを創出していくかが注目される。

 イオングループではこのほか、いずれもディスカウント(DS)業態「ザ・ビッグ」を展開するイオンビッグ(愛知県)が、マックスバリュ長野(長野県)を21年6月に吸収合併する計画も発表されている。

セブン&アイ、西友でも大規模な体制変更

ヨークマート
セブン&アイで“主役”となったのは旧ヨークマートで、20年6月にヨークに商号を変更している。

 イオンとともに

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