なぜ銀行ではなく……ファミリーマート、消費者金融参入のねらい
2021年夏に消費者金融事業を開始
ファミリーマート(東京都/細見研介社長)が2021年夏をめどに、消費者向け金融事業に参入する。この発表を耳にして、「ファミリーマートの店頭にはATMが設置されているのに、なぜ銀行業への参入ではないのか」と思われた人も多いかもしれない。なぜ、ファミリーマートは銀行ではなく、消費者金融への参入にかじを切ったのか──。
ファミリーマートが新たに始める消費者金融事業は、自社のスマートフォン決済アプリ「ファミペイ」を活用した小口資金の貸付や購入代金の後払いサービスが中心となる。21年4月に施行される改正割賦販売法で、10万円以下の分割払いを提供する決済サービス事業者の参入要件が緩和されるのを受けた格好だ。
コンビニエンスストア(CVS)業界では、セブン&アイ・ホールディングス(東京都/井阪隆一社長:以下、セブン&アイ)が今から20年前となる01年に銀行事業に参入した。いち早くCVSをはじめグループの食品スーパーや総合スーパーへのATM設置を進め、セブン銀行(東京都/舟竹泰昭社長)によるATMサービスをスタートし、すでに一定の市場を開拓している。セブン&アイグループのなかでも、金融事業の収益力が高いのは周知の通りだ。
18年には、ローソン(東京都/竹増貞信社長)もローソン銀行(東京都/山下雅史社長)を立ち上げて銀行業に参入。これにより、CVS大手3社の中でファミリーマートだけが残されていた状態で、「(ファミリーマートの銀行参入は)いつになるのだろうか」(ある食品スーパー関係者)という声も多かった。
キャッシュレスの潮目が変化
しかし、ファミリーマートが参入を決めたのは銀行業ではなかった。
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