業態の栄枯盛衰がくっきり 日本の小売業トップ20社ランキング・2020年版

油浅健一
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2021年は大激変が必至

 ここでみるだけでも水面下で大きなうねりが起こりはじめている小売業。今回のランキングは、決算期が202月期の企業がメーンで、2020年の経済を揺るがした新型コロナウイルスの影響がほとんど反映されていない。その意味では、まさにトレンドの大きな変わり目のランキングといえ、2021年度版では様変わりしている可能性もある。

 少子高齢化やテック化の影響が、「10年前倒しでやってきた」と表する経営者がいるほど、激変した2020年の消費市場。緊急事態宣言下で必要とされたものは特需となって売上を伸ばしたが、そんなことに一喜一憂していられないほどの強大な変化の波が襲ってきたことをあらゆる業種業態の経営者が感じ取った。

 三密回避の策として、小売が宅配に本格参入。併せて、ネット展開も加速させた。何が起こるか分からない状況を少しでも見通すために、AIによる売上予測を導入するスーパーも出てきている。決済のキャッシュレス化はもちろん、CVSの無人化もいよいよ加速するだろう。

 新型コロナが終息すれば、以前のように戻る。そうした考えではもはや成長など望めない。別の新たな非常事態が起こったらどうすべきか。最悪の事態に先回りし、顧客に常に最善のサービスを提供する。そうした姿勢の企業だけが売上を伸長させ、成長する。来年のランキングでは、それが色濃く反映されることになりそうだ。

 

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