21年夏、名古屋エリアで開始へ!バローがアマゾンとネットスーパーで協業 その背景は?

松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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アマゾン・プライムの会員数の多さが魅力

  配送の流れは次のようになっている。Webサイトやアプリからの注文後、バローのリアル店舗に注文情報が送信され、注文された商品をバローの専任スタッフがピックアップ・梱包する。それをアマゾンのスタッフが集荷し、利用者の指定の住所へ配送する仕組みだ。商品は注文から最短2時間で受け取ることができる。アマゾンがライフとともに関東・関西で展開しているネットスーパーと概ね同様のシステムとなっている。

バローの専任スタッフが注文商品のピッキング・梱包を行う
バローの専任スタッフが注文商品のピックアップ・梱包を行う

 バローは、事業所で働く従業員向けのネットスーパーサービス「ainoma(アイノマ)」および同サービスのシステム基盤を活用したドライブスルーでの商品受け取りサービス「ainomaピックアップ」を岐阜県の店舗ですでに展開している。

バローホールディングス取締役小池孝幸氏、アマゾンジャパンPrime Now/Amazonフレッシュ事業本部事業本部長 荒川みず恵氏
バローホールディングス取締役小池孝幸氏(右)、アマゾンジャパンPrime Now/Amazonフレッシュ事業本部事業本部長 荒川みず恵氏(左)

 バローホールディングス(岐阜県/田代正美会長兼社長)取締役の小池孝幸氏は、「アイノマは事業所向けかつ岐阜県のルーラルなエリアでの展開だが、アマゾンとのネットスーパーは名古屋市を中心とする都市部での展開で個人向けのサービスのため、使われ方が異なり棲み分けは可能だ」と話す。また、自社での展開ではなくアマゾンとの協業を選んだ背景の1つとして、「当社の『ルビットカード』会員の拡大がまだ名古屋などの都市部においては進行しておらず、(ネットスーパーの利用者を増やすうえで)アマゾン・プライムの会員数の多さが魅力だった」と説明した。

 バローはまず愛知県名古屋市内の1店舗でのサービス開始に向け、従業員の確保や教育に注力。サービス開始後は安定して2時間で配送できる体制を整えるなどノウハウ構築に努める。その後バローのリアル店舗がある地域やアマゾン・プライム会員数の多いエリアを中心に、配送可能範囲を順次拡大していく計画だ。

 

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記事執筆者

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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