利益激減のなかコロナ禍のライブコマースで起死回生 8か月で売上10倍にしたサトーカメラ、成功の秘訣

2021/03/25 05:55
「ダイヤモンド・チェーンストア」記者 若狭靖代
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スマートフォンの普及で斜陽産業になりつつあるカメラ業界において、圧倒的な強さを誇るカメラチェーンが栃木県にある。宇都宮市内に本部を構えるサトーカメラ(栃木県/佐藤千秋社長)だ。カメラ販売シェア17年連続栃木No1、栃木県のカメラ・レンズ・写真の年間消費量を全国平均の3倍以上まで引き上げた実績を持つ、“最強”ともいえるローカルチェーンである。第2回は、苦境の中迎えたコロナ禍でサトーカメラが放った起死回生の一手、ライブコマースとその成功の秘訣をお伝えする。

(第一回はこちら

サトーカメラ ロゴ

コロナ禍で迎えた一大転機

 フィルムカメラからデジタルカメラ(以下デジカメ)へと移行したのが2000年代、2010年代に入るとスマートフォン(以下スマホ)の普及によってそのデジカメも売上台数をどんどん減らしてきている。サトーカメラはそんな中でも、スマホやデジカメで撮影した写真をプリントして飾る楽しさをアピールし、デジカメ本体の売上ではなくプリントサービスなどに注力、努力を続けてきたが、デジカメ販売の落ち込みは深刻だった。売上の1割しか利益にならない状況に追い込まれていた2020年1月当時の状況を、「もうデジカメは限界かな、と正直思った」と佐藤氏は振り返る。

 しかし、そんな限界の状況だったサトーカメラに、一大転機をもたらしたものがある。それは意外にも、新型コロナウイルス(コロナ)の流行だった。コロナ禍で起こった消費行動の変化の一つに、対面購入から通信販売など非対面購入への移行がある。加えて、それまで旅行などに費やしていた娯楽費を他の趣味に振り替えたり、新たに趣味を始めたりしようとする人々が増えた。結果、“通販ではそれまで売れなかったような高額商品が売れる”という現象がコロナ禍では起こったのだ。

 この傾向を耳にした佐藤氏は「これだ!」と感じたという。通販なら、売上には直接繋がらない展示品を置く必要もなく利益を上げやすい。これまで、栃木県という地域に密着して展開してきたサトーカメラだが、通販で全国区に「打って出る」タイミングだと判断した。

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