「価値と価格のアピール」をテーマに景気浮揚の追い風つかむ=しまむら 野中 正人 社長

聞き手:下田健司
構成:小木田 泰弘
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商業施設内への出店が増える

──14年4月、西友(東京都/スティーブ・デイカスCEO〈最高経営責任者〉)の東陽町店(東京都)の3階に、「しまむら」業態をオープンしました。今後、商業施設内への出店は増えていくのですか?

野中 今期の新規出店は、「しまむら」25店舗、「アベイル」15店舗、「バースデイ」20店舗、「シャンブル」7店舗など、グループ全体で79店舗を計画しています。

 主力の「しまむら」業態は、出店できる場所ならどこにでも出すのが基本的なスタンスです。ここ数年、大都市圏への出店が増えているのは、地方に比べて出店余地がまだまだあるからです。その結果、ショッピングセンターや総合スーパーなど商業施設内への出店が増えています。とくに意識をして商業施設内に出店しているわけではありません。

 当社は、フリーススタンディング店舗のほうが得意ですから、大都市圏だけでなく、地方にもどんどん出店したいと考えています。

 また、ここ最近では、ベビー・子供用品の「バースデイ」への出店要請が増えています。衣料品が強く、ベビー・子供用品が一通り揃う売場面積1000平方メートルの「バースデイ」は、若年層の集客にもつながることから商業施設にとっては魅力的なようです。

 国外では、中国の10店舗態勢が見えてきました。まだまだ苦戦していますが、10店舗になると商品が回り始めますので、何とか戦っていけるようになります。

 台湾は順調です。今期は3店舗を出店し39店舗になる予定です。開業から10年以上の店舗も増えてきていますから、リニューアルも同時に行っていきます。

──15年2月期は、連結売上高が対前期比7.6%増の5400億円、営業利益が同21.1%増の507億円を見込んでいます。

野中 ファッション分野の商環境は依然として厳しいですが、消費意欲が高まっていますから、「増収増益を達成するのが当然」くらいの強気で攻めの施策を実行していきます。

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構成

1979年生まれ。2009年6月ダイヤモンド・フリードマン社(現ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。「ダイヤモンド・チェーンストア」誌の編集・記者を経て、2016年1月から「ダイヤモンド・ドラッグストア」誌副編集長、2020年10から同誌編集長。

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