注目される小売の中期経営計画
新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大の第3波が収まりつつある。東京都によれば、発症日別の陽性者数は1月4日の1492人がピークで、本稿を執筆中の2月9日には70人まで減少した。
こうしたなか小売各社は4月、中期経営計画(中計)を発表する予定だ。ここで中計の意味を改めて確認しよう。中計は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上への道筋を説明するもので、投資家との建設的な対話に欠かせない。2021年4月にコーポレートガバナンス・コードが改訂され、22年4月には上場区分の見直しが予定されている。多くの機関投資家にとっての投資対象との位置づけをなす、新区分「プライム市場」への上場を望む企業は、内容の濃い、しっかりとした中計が必要となる。
そこで、今号では、投資家の注目を集める中計の作成ポイントを解説していきたい。
第1に中計は、ビジョンや長期方針に基づき、3年でやるべきことを、具体的にどう達成するかを明示しよう。中計は外部のコンサルに丸投げしてはいけない。自社ならではの、理念・社風・歴史・トップの特徴に基づく必要があるからだ。自社でエネルギーを文章に注ぎ、ステークホルダーの心に響かせよう。
盛り込むべき内容は、
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