商品、個店経営、開発、財務……業界屈指の高収益チェーン ヤオコーが最強の理由

「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部 小野貴之
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ヤオコーに死角なし!?
増収増益記録の更新なるか

 では、ヤオコーに弱点や課題はないのか。クレディ・スイス証券の風早隆弘氏は「現時点において、ヤオコーにこれといった弱みや死角は見当たらない」と話すが、ここであえて1つ挙げるとすれば、これまでも行ってきた連続的なイノベーションを今後も続けていくことができるのか、という点である。

 すると本特集の取材中にあるニュースが飛び込んできた。ヤオコーが21年2月1日付で、新会社フーコット(埼玉県/新井紀明社長)を設立するという。ヤオコー広報に確認したところ、「現時点で詳細は公表できない」との回答だったが、発表リリースには新会社の資本金は4億円、事業内容は「スーパーマーケット事業」と記されており、「新業態」との文言もあった。

 「ヤオコーの新業態」と聞いて連想されるのは、同社が17年に出店した都市型小型フォーマットの「八百幸成城店」(東京都調布市)だ。初の「八百幸」屋号の出店で業界中の注目を集めたものの、オープンから3年以上が経った現在も2号店は出店されていない。

 「八百幸」とは異なり、別会社を立ち上げてまで挑戦する新業態とはどのような店なのか。ヤオコーはどのようなイノベーションを見せてくれるのか。続報が待たれる。

 前述のとおり、ヤオコーの21年3月期決算は記録的な好決算になる見通しで、来期(22年3月期)に増収増益記録を更新するハードルはこれまでにないほどに高くなると見込まれる。それでも、ヤオコーの川野澄人社長は記録更新に意欲をみせており、22年3月期は例年よりも多い9店舗を新規出店し(21年3月期は6店舗を新規出店)、大型店の改装も増やすとしている。また、SM各社が“コロナ特需”に沸くなか、20年6月から客数アップをねらったEDLP(エブリデイ・ロープライス)政策をスタートするなど、記録更新に向けた布石はすでに打たれている。

 21年3月に3カ年の第9次中経が終了し、22年3月期からは第10次中経がスタートする。第10次中経の詳細はまだ明らかにされていないが、川野社長がこの先3年でどのような成長の絵姿を示すか注目だ。

ヤオコー会社概要

本部所在地 埼玉県川越市新宿町1-10-1
設立 1957年7月(1890年創業)
代表者 川野澄人
資本金 41億9900万円
営業収益 4604億7600万円(2020年3月期実績 ※連結)
店舗数 168店(2021年1月末時点、※単体)

 

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