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速報!ファミリーマート社長交代会見 細見研介新社長、澤田貴司氏が語ったこと

伊藤忠商事の100%子会社となったファミリーマートの新社長に、伊藤忠商事出身の細見研介氏が3月1日付で就任する。1月18日、細見氏と副会長に就任する澤田貴司氏が出席した記者会見で語られたことをまとめた。コロナ禍で日版が5万円程度減少する厳しい環境下で、細見氏はファミリーマートをどのように改革していく考えなのか?

左が細見研介新社長、右が副会長に就く澤田貴司氏

澤田 2016年9月に社長に就任以降、ブランド転換や構造改革、加盟店支援など様々な改革を実行してきた。この間、社員の皆さん、加盟店の皆さんには多大なご協力を頂いた。
 2021年、ファミリーマートは40周年を迎える。この新しい年に新しい体制で布陣を強化し、良い会社にしていこうということで社長交代を実行するに至った。
 細見新社長には、社長就任以降、多大なバックアップを頂いた。新しい体制を組んだことで、今以上にファミリーマートとして力を合わせ、素晴らしいチェーンを築いていきたいと考えている。

細見 澤田社長の後任として3月1日より、ファミリーマートの社長を拝命する。1981年にファミリーマートの称号で事業を開始して以来、今年は40周年の節目の年だ。ECなど競争の激化、コロナ禍などで人々のライフスタイルが急激に変化している中で、嵐の中の船出となるが、次の10年の成長の礎を築くことが役目だと考えている。 
 (コロナ禍で)コンビニエンスストア業界は大きな困難に直面している。当社は環境の変化に迅速に対応するため、株式非公開化の対応を2020年行った。このような状況で「一発逆転」の策はなく、基本に立ち返り、小さな種を撒き続ける努力を続けることしかないと考えている。ファミリーマートの40年は、合併を伴った急拡大の歴史でもある。今までも様々な困難があったが、加盟店と一丸となり苦境を乗り越えてきた。これからやるべきことを、「稼ぐ」「削る」「防ぐ」の観点で整理し明確化する。「商品開発」「利便性」「親しめるお店」の3点を重視していく。地域への貢献とは何かを追求し、加盟店と本部とで共有していくことが大事だと考えている。

細見社長が語るファミリーマートの課題認識

–細見社長から見て、ファミリーマートの現状の主に商品面での課題は何か。

細見 1つひとつの精度をさらに上げていくことが必要だ。たくさんの評価を頂いている商品もあるが、まだまだ他チェーンの物と比べると至らない部分がある。そういう部分に耳を傾け、努力していく必要があると考えている。

–例えば3年後を想定して、ファミリーマートはどんなコンビニエンスストアになっているか。

細見 近々の課題は、世界的に深刻化する中でコロナ禍をどう切り抜けていくのか。そして、デジタル化をどういう形で進展していくのか。これらを見極めないことには3年後を語るには早いのではないかと考えている。ネットとの融合は間違いなく進んでいく。デジタル化についてはテクノロジーの急激な進歩があるため、活用しながら「削る」部分を進めていきたい。

 世界的に「リアルの売場」が変わってきている。サッカーをしていたつもりがいつの間にかラグビーをしていたような(ゲームのルールに)変化だ。ライフスタイルの変化に伴って、リアルの売場に対する消費者が求めることが変わってくる。そうした変化をつぶさに研究中で自然とファミリーマートは変容していくと考えている。

–デジタル化を進めるなか、最初にやりたいことは。

細見 サプライチェーンの再構築に着手をしている。デジタルの技術を駆使し、コストの削減を一番最初にやっていきたい。

加盟店5000店が契約更新迎える その対策は?

–加盟店契約の更新時期が相次ぐなか、その対策は。

澤田 順次約5000店舗が契約更新になる。一部では、いったん直営化をして加盟店に戻すなどの方法をとる場合もあり、準備を進めている。十分準備は整っていると考えている。

細見 ファミリーマートは、加盟店判断による時短営業、フードロスの削減対策などを進めてきた。店舗人件費の高止まりなど、厳しい経営環境が続いていることは間違いない。早急に省人化店舗や新しいサービスなどを通じて、厳しい競争に生き残っていくための手を打ち、加盟店契約の更新についても進めていきたい。

–(細見新社長の)30年間の繊維業界での経験をファミリーマートにどう活かすか。

細見 ブランドの全世界展開など様々なことを行ってきた。繊維業界もデジタル化の波が押し寄せている。これから、同じことがあらゆる業界に起こってくると考えており、そういった危機感をバネに、スピード感を持った経営判断をしていきたい。

–伊藤忠商事とのシナジーという観点から、ファミリーマートをどう変えていくか。
細見 リアル店舗の意味や位置付けが変わってきた。ECであらゆるショッピング体験ができるようになってきているが、リアル店舗が不要なわけではない。リアル店舗を再定義していくことが必要だ。
 昨年12月にデータ・ワン(註・伊藤忠商事、ファミリーマート、NTTドコモ、サイバーエージェントの4社による、購買データを活用した広告事業に関する新会社)を発足し、蓄積されたお客さま情報などの活用を、さまざまな提携パートナーと協力し新しい事業を構築していく。これをファミリーマートと伊藤忠が一体となって進めていくことのひとつだと考えている。

–(データ・ワン含めた)新規事業のスピード感について。

細見 データ・ワンの他、2、3新しいプロジェクトがある。デジタル化というのは、小さな種をたくさん撒いてそれが育ったところが新しい面になっていくと考えている。ゴールというものはないし、速やかに良いサービスを考えていく。

–ファミリーマートの将来像やビジョンは。

細見 ビジョンは「あなたとコンビにファミリーマート」というキャッチフレーズに集約されている。時代が変わり、消費者や地域と「コンビ」になっていくかということを追求する中で、実態面が変わっていく。ビジョンは変わらない。