激動の流通 #6 コロナ禍でも快進撃続けるユニクロの“隘路”

2021/01/18 05:55
森田俊一(流通ジャーナリスト)

ファーストリテイリング(山口県)が展開する「ユニクロ」は現在、売上高世界3位のポジションにあるが、時価総額では、世界最大のカジュアル衣料チェーン「ZARA」を擁するスペインのインディテックス(Inditex)に肉薄している。しかもユニクロは、巨大市場である中国で絶大な存在感を持つ。絶好調にみえるユニクロに隘路はないのだろうか――。

ユニクロ店舗前
2017年1月撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

コロナ禍直撃から一転、今期は業績V字回復か

 ファーストリテイリングの2020年8月期通期決算における売上収益(売上高に相当)は、2兆円を維持した。コロナ禍に伴う店舗の休業、消費者の外出自粛により消費が落ち込んだ影響により、19年8月期に比べると約12%の減収だった。

 しかし決算発表の場で、取締役上席執行役員CFOの岡崎健氏は、「中国大陸をはじめとするグレーターチャイナ事業が計画を上回るペースで推移したことから、直近の業績予想を大きく上回った」と振り返った。

 人口減少に歯止めがかからない国内は、アパレル市場が縮小に転じて、大きな成長は期待できない。そうした状況下、ファーストリテイリングは急拡大する中国市場を席巻しており、中国を中心とするグレーターチャイナをはじめ、海外事業の売上高がすでに国内を上回っている。

 とくに“稼ぎ頭”の中国では、コロナ禍からいち早く立ち直っており、21年8月期の業績予想においても売上収益は対前期比9.5%増の2兆2000億円、営業利益が同64.0%増の2450億円を見込むなど、コロナ禍が直撃した20年8月期から一点、V字回復を予想している。

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