関西景気、コロナ影響長期化で下振れリスク高い=日銀大阪支店長

ロイター
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大阪の繁華街
1月14日、 日銀の山田泰弘大阪支店長(理事)は、地域経済報告(さくらリポート)では景気判断を据え置いたものの、経済の下振れリスクに警戒感を示した。大阪で昨年3月撮影(2021年 ロイター/Edgard Garrido)

[東京 14日 ロイター] – 日銀の山田泰弘大阪支店長(理事)は14日、支店長会議後の記者会見で、地域経済報告(さくらリポート)では景気判断を据え置いたものの、経済の下振れリスクに警戒感を示した。管内の京都府、大阪府、兵庫県で緊急事態宣言が発令されたことで、サービス業を中心に「相応に大きな影響が出てくる」と指摘した。

山田理事は、旅行、宿泊、飲食業などに影響があると指摘。一方、百貨店など小売業は前回の緊急事態宣言時と異なり、営業時間の短縮などで対応し、完全に閉店するわけではないと指摘。モノの消費の持ち直しの動きが大きく変化するとは考えていないと語った。

日銀が14日発表したさくらリポートでは、全9地域中、3地域の景気判断を引き上げる一方、1地域の判断を引き下げた。近畿は、新型コロナウイルス感染症の影響で依然として厳しい状態にあるものの、全体として持ち直しの動きが続いているとして、前回10月から据え置いた。

関西は、輸出・生産が持ち直し、個人消費も堅調な動向を示している。一方、サービス消費は年末年始に需要が大幅減となったことに加え、緊急事態宣言で今後も厳しい状況が予想されるという。設備投資計画は「12月の短観を見る限り、製造業・非製造業とも下方修正は小幅にとどまり、関西では前年比プラスを維持している」と指摘した。ただ、感染症の影響が長期化する中で「経済の下振れリスクは高い」との見解を示した。

管内で緊急事態宣言が発令されたことについては、大阪の飲食業から「赤字が避けられない」、「収益が低下する」といった声が聞かれたという。山田理事は食品業など関連業種にも影響が出てくるとの見方を示した。

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