激動の流通 #3 大変化の2020年、真価問われる2021年のコンビニ

森田俊一(流通ジャーナリスト)
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伊藤忠完全子会社、ファミリーマートのねらい

 セブン&アイが巨額買収に成長可能性を見出そうとする一方、「サークルKサンクス」の買収により業界第2位に浮上したファミリーマートは、親会社である伊藤忠商事の完全子会社となった。

 店舗数こそセブン-イレブンに次ぐ1万6656店(20年11月30日現在)体制となったファミリーマートだが、足元の状況を見ると、この規模を生かしきれているとは言い難く、平均日販をはじめとした経営指標に改善は見られていなかった。

 かねて力を入れていた海外展開では、2010年に8000店を超え、国内の店舗数を逆転したものの、それから10年経った現在の海外店舗数は8200店弱と、拡大に成功しているとは言えない。海外のライセンス先との資本関係を含めた関係構築が希薄だったほか、提携先がコンビニ運営ノウハウを蓄積してファミリーマートから“独立”してしまうケースもあったためだ。

 今後は、上場廃止となることにより、株主をはじめステークホルダーによるモニタリングがなくなり、経営の自由度は高まるとみられる。そうした環境で、セブン-イレブンに追いつくための事業の立て直し、あるいは体質転換を図るのが、完全子会社化のねらいとみていい。

 セブン&アイは、巨額買収で米コンビニ市場を宝の山に変えることができるか。また、伊藤忠商事の完全子会社となったファミリーマートはチェーン全体を活性化できるか。コンビニの21年は、20年に起こったビッグイベントの成果が問われる年になりそうだ。

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