常盤勝美の実践ウェザーMD #4 活用すべき気象データ10選と実践方法
ウェザーMD実践の手順
次回以降に解説していく販売数と気象の関係は、株式会社True Dataが設計、運用する、全国のスーパーマーケット/ドラッグストアの消費者購買情報を統計化した標準データベースを用いて求めるものです。ここでは全国平均のデータを利用しますが、小売業の皆さまは、地域や顧客特性が反映されている自社のデータで再度分析してみることをおすすめします。その手順の概略を説明します。
①データを集計する
日々の販売データは価格変動、曜日の違いによる客数変動など、さまざまな要因の影響で細かな上下の波があり、気温との大局的な傾向を読み取りづらい場合があります。しかしこれを週平均データに集計すると、細かな変動を平滑化でき、気象との関係性が捉えやすくなります。これに対応させるかたちで、気象データも週平均のものを活用します。
②時系列グラフと散布図でデータを見る
定量化されたデータを確認する時に、注意すべき点を記載します。気温などの気象要素と販売数を定量化して見ていく際に、数値だけでみてしまう方が多いと思います。たしかに、数値だけでも気温と販売数に正の相関や負の相関があるかどうかはわかりますが、実際に、加工食品の「インスタントシチュー」の買物指数と最高気温のデータをグラフで見てみてください(図表①、図表②)。
このように「気温と販売数に正の相関があることがわかっても、実際にデータをグラフで見てみると、シーズンピークに向けた需要期とピークを過ぎた期間とでは相関の強さが異なる」などといったことはよくあります。そのようなデータの読み違いを回避するためにも、可能な限りグラフ上の動向を自身の目で確認されることをおすすめします。