新しいSMの形を提示!サミット、新・中計「GG2022」を 具現化した「五反野店」の売場づくりに迫る

2020/12/18 05:57
    大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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    浮いた人時でお客との
    コミュニケーション強化

     さらに「ハイテック」の施策として、約20台ものセルフレジを導入した。サミットはこれまで、セルフレジを都市型小型店で実験的に導入してきた。大型店にこれだけの台数を設置したのは初の試みとなる。

     そうして浮いた人時を、サミットは接客やサービス向上につなげるねらいだ。たとえば同店では、サミットが近年、新店を中心に配置してきた接客専任の「案内係」を、1~2名体制の既存店と比較して多く配置したという。また、来店客から要望のあった商品を揃えるコーナーも大きく設けている。

    五反野店では、約20台ものセルフレジを導入した
    五反野店では、約20台ものセルフレジを導入した
    ■来店客から要望のあった商品を揃えるコーナー。写真の売場以外に、ゴンドラエンド部分にも同じコーナーを設けている
    来店客から要望のあった商品を揃えるコーナー。写真の売場以外に、ゴンドラエンド部分にも同じコーナーを設けている

    地域住民とともに
    よりよい店をつくる

     それ以外にも五反野店では、地域とのつながりを構築するためのさまざまな工夫が見られた。

     たとえば開店準備の際、SNSを通じて地域に根差して営業するデザイン事務所の存在を知り、イートインコーナーに飾る絵の制作を依頼した。またこちらもSNS上で、サミットの開店を待つ地域住民が「店頭に生えている木がイルミネーションされ、地域を明るくしてくれると嬉しい」という内容のコメントしていたことを受け、実際に電飾を施した。服部社長は「このような積み重ねによって、近隣住民の皆さんにサミットを地域の一員として認めていただき、ともによりよい店をつくっていきたい」と話す。

    イートインコーナーに飾られている、地元のデザイン事務所の女性が制作した絵。創業時から地域で愛され続ける、五反野店の変遷が描かれている
    イートインコーナーに飾られている、地元のデザイン事務所の女性が制作した絵。創業時から地域で愛され続ける、五反野店の変遷が描かれている

     五反野店の初年度の年商目標は約35億円で、将来的には50億円を達成できるような店をめざす。サミットはGG2022で掲げるビジョンを実現するべく、同店での成功事例を既存店にも波及していく方針だ。

    【サミットストア五反野店 概要】
    所在地 :東京都足立区中央本町 2 -26-13
    営業時間:9:00~25:00
    売場面積:2102㎡

    記事執筆者

    大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

    1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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