コロナ禍で好調のワークマン・オイシックスから見た「小売の未来」

兵藤雄之
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 オイシックスの秀逸なアマゾン対策

奥谷 オイシックスでは、ミールキットをアマゾンフレッシュからも提供していることもあり、「アマゾンと同じ土俵では戦わない」という考えが強くあります。

 我々はアマゾンのように早くは運べません。しかしながら、SMのバックエンドのような3温帯対応の物流をもっています。これが我々の強みになっているのではないでしょうか。これまで“オイシックスが培ってきた物流”というものが、ヤマト運輸との協業のもとで鮮度が高く、おいしいまま届けられるものとして信頼を得ていることも大きいでしょう。

角井 コロナ禍で、これまでECなどデジタルシフトにに躊躇していたところも、「もう踏み込まざるを得ない」状況に追い込まれています。ワークマンとオイシックスでは、今後、軸足の異なるリアルとデジタルの融合をどのように考えていますか。

土屋 我々は、Click&Collect(クリック&コレクト)に特化していきたいというのが本音です。日本全国に500以上の店舗があれば、顧客は都合の良い店舗に商品を受け取りに来る。だから店舗在庫を使ってネット販売を展開していくことができる。ただし、中途半端に強化しようとしても意味がない。ネット上の在庫はすべて店舗在庫による、受け取り方法は店舗だけにするというくらい徹底していく考えです。

奥谷 食に関するカテゴリーでは、飲食店系が淘汰されながらもいろいろな意味でデジタルを活用するようになるとみています。ただし、UberEATSや出前館などのデリバリー事業者に頼ったデジタル活用は飲食店が負担するフィーも小さくなく(35%程度)、デリバリー事業者にしてもシェア争いでなかなか儲かっていないといわれています。ネットスーパーも頑張っていますが、なかなか収益化につながらない。今後はそうしたところに対し、オイシックスがテクノロジー開発をするといったこともあり得るのではないでしょうか。食に関するデジタル活用の流れを止められないのであれば、我々がいかに業界をリードしていけるかが生き残りにつながると考えています。

公開討論の最後を角井亮一氏は「どちらの会社も、施策に芯が通っている。それが成功の秘訣ではないか」と締めくくった。

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