新・北海道現象の深層⑯ ニトリvsDCM-かつての「盟友」はなぜ島忠のTOBを競い合ったのか

2020/11/27 05:55
浜中淳(北海道新聞)

ニトリ、「異物」島忠取り込んだ後も、同じ成長軌道を描けるか

都心部での出店余地の観点から今後の成長スピードダウンが懸念されるニトリは、時間を買うため、島忠に触手を伸ばした
都心部における出店余地の観点から今後の成長スピードダウンが懸念されるニトリは、時間を買うため、島忠に触手を伸ばした

 ニトリHDは先の中間連結決算で過去最高益を達成、21年2月期通期でも売上高7026億円(前期比9.4%増)、営業利益1329億円(同23.7%増)と34期連続増収増益を見込んでいます。このまま自前展開を続けても問題ないように思えますが、実はそう言っていられない事情がある。ニトリHDは現在、2度目の30年計画の途上にあり、20年目の22年度(23年2月期)の目標として売上高1兆円を掲げているものの、当初の見立てほど中国での売り上げが伸びておらず、今のペースでは達成が厳しいのです。

 似鳥氏が最初の30年計画をつくったのはまだ20代だった73年のこと。03年2月期までに「全国100店舗」「売上高1000億円」「東京証券取引所1部上場」を達成するとの目標を設定、すべて前後1年以内に達成し、そこから「ニトリ常勝神話」が始まりました。有言実行の経営者として知られる似鳥氏にすれば、自ら公言した計画が未達に終わることだけは何としても避けたいというのが本心でしょう。

 だからこそニトリHDは、島忠の純資産額を上回る2100億円の買収金額を投じてまで、首都圏60店舗、売上高1500億円を一挙に手に入れることを選んだ。要は「時間を買う」ことが今回のM&Aの直接的な動機と考えられます。時価総額2兆4700円のニトリHDにとって、高すぎる買い物とまでは言えませんが、島忠という「異物」を取り込んだ後も、これまでと同じ成長軌道を描けるのかが気になります。

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