売れ筋上位30品目とその価格政策は?ヨークベニマルの強さ、安さの本質を、ショッパー調査で丸裸に

文=桂幸一郎(ニールセンカンパニー 流通サービス事業部長)調査=浜田裕太、佐藤瑠梨子(マクロミル 統合データ事業本部 データマネジメント部)
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ヨークベニマル大

お客だけでなく、業界関係者から高く評価されているヨークベニマルだが、同社は小売チェーンの基本に忠実な“お手本的”な企業であり、その強さを一言で説明するのは難しい。ヨークベニマルの強さはどこにあるのか。小売チェーンを横断比較できるマクロミル(東京都/佐々木徹社長)の「QPR™」のデータから紐解いていきたい。

※注:消費者購買履歴データ「QPR™」=QPR(Quick Purchase Report)™は携帯型バーコードスキャナーを配布し、全国(沖縄除く)3万人のモニターが登録している商品購入履歴データ。購入理由などの意識調査もともに実施し、収集・分析して、消費者の日々の購買動向をとらえる商品購買調査サービスを提供している。
分析対象:エリア=全国(沖縄除く)、年齢=15~69歳男女、収集対象=バーコード付き商品
分析期間:2020年4月1日~10月11日
分析対象地域:ヨークベニマル出店の山形県、宮城県、福島県、栃木県、茨城県

進出県において圧倒的なシェア

 ヨークベニマルは福島県を地盤に、宮城、山形、茨城、栃木の5県にまたがって店舗を展開する。マクロミルの「QPR™」のデータによると、進出県におけるヨークベニマルの食品および日用品のシェア(全チャネルで総合スーパー〈GMS〉、食品スーパー〈SM〉、ドラッグストア、ホームセンター、コンビニエンスストア、Eコマースを含む)は8.2%と、7. 2%の「イオン」を上回り、ナンバーワンのポジションにある(図表❶)。

図表❶ヨークベニマル進出県における小売業のシェア
拡大図はこちら

 なぜ、ヨークベニマルはこれほどまでにお客から支持されているのか。まずは、利用者からの評価から見ていきたい。

 ニールセンが毎年実施しているショッパートレンド調査(2019年12月実施)によると、ヨークベニマルのブランド評価は安定して十分高いレベルにある。そのなかでも特筆すべきは、チェーンの「イメージ属性」だ。

 図表❷は東北エリアのGMSおよびSMの利用者が店選びにおいて重視する上位5項目を主要5チェーン(店舗ブランド別)で比較したものである。東北のショッパーが重視する上位5項目は、

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