アークスが栃木のオータニを完全子会社化、関東進出本格化の布石となるか?

若狭 靖代(ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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11月17日、アークス(北海道/横山清社長)とオータニ(栃木県/大谷章社長)は経営統合を発表した。アークスがオータニを完全子会社化する形での統合となり、アークスグループがその勢力を関東圏へと拡大する。

アークス

アークス初の関東圏SM子会社化

 アークスは北海道から東北地方にかけて、スーパーマーケット(SM)を運営するグループ企業。グループ計343店舗(20年8月末現在)を展開し、傘下にはラルズ(北海道/猫宮一久社長)、ユニバース(青森県/三浦紘一CEO)など10社が名を連ねる。一方、オータニは栃木県内を中心に、健康・本物志向の顧客向け業態「フードオアシスオータニ」と、低価格志向の顧客向け業態「スーパーオータニ」の2業態、合わせて31店舗(20年10月末現在)を展開している。オータニの2020年8月期の売上高は294億2600万円、営業利益は3億2400万円となっている。

 今回の経営統合については、「19年初頭から、(アークスとオータニ)双方にとって良い形を模索してきた。1年半ほどかけて信頼関係を築き、統合に至った」とアークス横山清社長。アークスは「八ヶ岳連峰経営」を標榜し、各事業会社に一定の権限を委譲してそれぞれに自律した経営を促すことを経営方針としているが、「この経営方針にオータニが興味を持ったことがきっかけ」だとも横山社長は話した。

 もともと、M&A(合併・買収)で北海道から東北へと勢力を拡大してきたアークスにとって、オータニとの経営統合は関東進出の足がかりになるとみられる。オータニとしても、経営統合を通じて店舗の競争力向上や商品調達の強化などを行い、競争の激化するSM業界での生き残りを狙う。

オータニのCGCへの加盟は未定

 経営統合のスケジュールは、発表のあった11月17日に基本合意書の締結を既に実施、21年1月をめどに最終契約の締結をめざす。契約発効は21年3月1日の予定。また、アークスグループ各社は、共同仕入れ会社シジシージャパン(東京都/堀内要助社長)に加盟しているが、現時点でオータニ(AJS加盟)が加入するかは未定となっている。

 横山社長は、「(オータニは)我々の事業理念と非常にマッチする。地域に密着しつつ勢力を拡大する上で、お互い助け合えれば」と語った。

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