顧客分析とプロセスセンター駆使する合理的スーパー、オギノがセルフレジを導入しない理由

聞き手:阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
構成:リテイルライター:太田美和子
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衣料品の改革に手ごたえ県外への出店も進める

──現在オギノでは、衣料品専門店併設店を18店展開しています。近年、衣料品の扱いを見直す企業が増えていますが、今後の展開をどのようにお考えですか。

荻野 価格を抑えた実用的な衣料品はお客さまのニーズが十分にあると考えます。今後の新規出店でも、食品と衣料品をワンフロアに組み込んだ店舗を積極的に開発する方針です。なぜなら、衣料品を併設している店舗のほうが食品平均売上高が高く、来店動機の創出につながっていると考えるからです。

 同時に改革も進めています。今年からプロジェクトを結成し、お客さまの新しいニーズに対応できるように商品構成と販売方法を見直しており、かたちができつつあります。それを踏襲して7月に改装した「双葉店」(山梨県甲斐市)での実験では成果が上がっていて、この成功事例を新たに3店に広げる予定です。

──今後の出店計画を教えてください。

荻野 今後も年間1~2店のペースで新規出店する方針です。21年2月期は新規出店がないのですが、来期の22年2月期には大型店の開業を計画しています。

 出店エリアについては、山梨県内でも、まだ一部、店舗網が少ないエリアがあるのでまずはその空白地を埋めていきます。

 同時に進めていきたいのが県外での出店です。ただしPCからクルマで数時間圏内がよいと考えています。それより離れると、商品を鮮度の高い状態で届けられる1日3便体制をとるのが難しくなるからです。

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聞き手

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

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