連載 流通M&Aの深層 #1 ニトリが島忠争奪戦に参戦した理由

森田俊一(流通ジャーナリスト)
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譲れないDCMホールディングス

 島忠の獲得でニトリHDと競うことになったDCMホールディングスも首都圏の店舗は手薄。DCMホールディングスも傘下のDCMホーマックと持分法適用会社のケーヨーが東京都で店舗展開しているが、それほど数は多くない。DCMホールディングスとしても島忠の取得は譲れない。

 買収合戦の際のひとつのカギは、島忠株の8.38%保有していることが明らかになっている旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンスがどう動くかがだろう。だが、買収価格は、DCMホールディングスが提示している価格よりもニトリHDのほうが高く、ニトリ有利の状況となっている。

 巣ごもり消費の増加により、ホームセンター各社の足元の売上高は大きく伸長している。DCMホールディングスは21年2月期上半期(20年3~8月期)決算において、営業利益が対前年同期比76%増の223億円となり、過去最高を記録した。同じように島忠も“コロナ特需”をとらえ、低調だった前年同期から一転、堅調な業績をマークしている。ニトリHDも上半期決算で大幅な増収増益を果たしており、コロナ禍という大きな変化を追い風にとした3社が再編に動き出した格好だ。

 ホームセンター業界ではアークランドサカモト(新潟県/坂本晴彦社長)がLIXILビバ(埼玉県/渡邉修社長)を買収したばかり。島忠の獲得は、ニトリHDにとってもDCMホールディングスにとっても、今後の経営を大きく左右することになる重要なポイントになる。そしてこれを契機に、ホームセンター業界の再編が加速していくとも言われている。ニトリHDの“後出し”にDCMホールディングスはどう反応するか。注目が集まっている。

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