セール期間延長にEDLP、アプリ活用… 販促の新常態 「分散して集客」の向かう先

宮川耕平(日本食糧新聞社)
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既存セール企画は値下げ期間の延長で対応

 ただ、コロナ以前にやっていた販促企画を無くしてしまうことは、既存顧客を失望させることにつながります。この曜日はポイントが何倍に、この週末はワインが一律割引といったセールは、ロイヤルカスタマーほど日常の買物計画に組み込んでいるものです。

 そうした顧客の期待への対応として、ヤオコーは「カテゴリーセール」の期間を伸ばしています。月に2日だったものを4日に、または1週間にするなどして、特定日への集中を避けつつ、顧客の買物習慣も維持できるようにしています。

 カスミは、木曜と日曜午前をほぼ全カテゴリー10%割引としていましたが、現在は両曜日に次回の買物で使える10%引きクーポン券を配布する方法に改めました。それぞれ1週間の利用期間内であれば、何曜日に来店してもいいようにしています。シニア優遇・子育て支援デーの5%割引との併用も可能といいます。

 このように割引の期間を延長することが販促の新常態になっているわけですが、言ってみれば値下げ期間の拡大であり、やはり非常時の緊急措置といった印象です。アフターコロナには元に戻ることでしょう。

 一方で、チラシ配布に代表される「寄ってらっしゃい、見てらっしゃい」的な施策がやりづらいことで、アプリを活用する気運が高まっています。

クーポン等による販促やアプリによるデジタル戦略を推進するUSMH(IR資料より)
クーポン等による販促やアプリによるデジタル戦略を推進するUSMH(IR資料より)

 カスミはUSMHアプリの機能強化を進めています。商品検索ができて、注文ができて、店でも家でも受け取れて、レジに並ぶことなく商品スキャンも決済もスマホで完結というサービスが一部店舗で始まっています。アプリの機能を充実させることで利用者を増やし、蓄積したデータをもとにターゲット別のマーケティング活動を本格化していく予定です。

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