10年で供給高が1.3倍!コープしがが10年かけて取り組んだすべて

ダイヤモンド・チェーンストア編集部
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生鮮3品の売上構成比5割へ来春に最大級の店舗を開業

コープもりやまの店内
コープしがの店舗では総菜を含む生鮮4部門を強化しているのが特徴だ。コープもりやまの鮮魚売場では、加工場が見えるようにガラス窓を採用した対面コーナーを導入し、鮮度感を訴求している

 店舗事業の存在が組合員数を底上げする実績を受け、コープしがは今後も、新規出店を着実に進める方針だ。

 次なる新規出店は来年春の計画で、滋賀県北部の長浜市に、同生協最大級となる売場面積600坪の「コープながはま(仮称)」をオープンする。周辺に多くの有力競合店が点在する、流通激戦区に出る格好だ。

 長浜店の開業は、コープしがにとって新たなチャレンジの側面を持つ。これまでの出店は、県内で人口が集中する南部だったのに対し、県北部のそれほど人口が多くない立地への出店であるためだ。「そうしたエリアにおいて、店舗を起点に、宅配をはじめ他のサービスも提案しながら、生協の総合力で全体供給高を伸ばしていくことが次の成長のカギになる」と白石理事長は述べる。

コープもりやまの店内
コープしがの店舗では総菜を含む生鮮4部門を強化しているのが特徴だ。コープもりやまの鮮魚売場では、加工場が見えるようにガラス窓を採用した対面コーナーを導入し、鮮度感を訴求している

 店づくりにおいては、生鮮食品の販売に注力する。コープしがでは、いずれの店舗も、総菜を含む生鮮4部門で供給高構成比5割以上を目標とする。生協ならではの安全・安心を訴求する産直商品を中心に独自の品揃えを提供し、差別化を図るねらいだ。

 中長期的にはさらに店舗網を拡大したい考えだが、まずは「コープながはま」を軌道に乗せることを最優先課題に、既存の3店舗の業務改善やローコストオペレーションも推進し、早期に店舗事業の黒字化をめざす。

 「2020年ビジョン」が終盤を迎え、コープしがではすでに次なる10カ年の長計「2030年ビジョン」の策定に向けて議論を重ねている。これまでの実績を踏まえ、「やくだつ」「つながる」「ひろがる」をテーマに、新たな施策にも取り組む方針だ。

 白石理事長は「滋賀県内には生協についてよく知らない方も未だ多い。生協の強みを積極的にアピールし認知度向上による利用拡大をめざす」と述べている。

コープしが概要

※2020年3月20日現在

本部所在地 滋賀県野洲市冨波甲972
創立 1993年3月21日
出資金 119億3420万円
組合員数 約19万7800人

コープしが直近5年間の経営概況

出典:コープしが

年度 総事業高 経常剰余 宅配供給高 店舗供給高
2015 302.3億円 9.2億円 268.6億円 21.8億円
2016 324.2億円 11.6億円 274.1億円 35.3億円
2017 341.3億円 9.8億円 276.8億円 43.8億円
2018 352.1億円 9.6億円 273.8億円 54.1億円
2019 355.2億円 8.0億円 273.5億円 55.9億円
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