コロナ禍で宅配激増も、欠品率はわずか2% 知られざる生活クラブ生協・東京の強さ

ダイヤモンド・チェーンストア編集部
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生協活動のリーダーは半数以上が子育て世代

生活クラブの個人が組合員活動に直接参加できる活動体として「まち」
2000年から個人が組合員活動に直接参加できる活動体として「まち」の運営をスタート。現在54のまちが存在し、その半数以上が若い子育て世代だ

 注文が急増した3~4月にかけては新規加入者も増大した。宅配事業の組合員に絞っても4月だけで純増数が1785人に及んだ。これは、20年度の宅配利用者純増計画数の1781人を上回る数である。

 生活クラブ東京は、コロナ禍以前の13年から「子育てを応援する生協」を掲げ、子育て世代の加入促進に力を注いできた。(同生協では30~45歳までの世代を便宜上、“子育て世代”と呼ぶ)。その取り組みは実を結びつつあり、それ以前は上昇傾向にあった組合員の平均年齢が約55歳で維持できるようになっている。

 子育て世代の利用獲得に貢献しているというのが、「まち」の存在だ。

 00年、生活クラブ東京では、組織運営の方法をあらためた。長年、生協は班ごとの配送を最少単位とし、班の集合体である「地区」、その上の組織体の「支部」というピラミッド型の組織を形成してきた。ところが、個別配送が主流になり、既存の組織運営が成り立たなくなった。

 そこで、個人が組合員活動に直接参加できる活動体として運営を始めたのが「まち」である。地域ごとに500人以上を1つのグループとして、生活クラブ東京には計54の「まち」がある。そして、それぞれが年間の行動計画や活動目標を定めて、勉強会や試食会、生産者との交流会などの活動を自主的に行っている。

 生活クラブ東京はこの「まち」の活動に、子育て世代に積極的に参加してもらえるよう働きかけた。12年から「まち」の行事に顔を出した子育て世代の組合員に、「運営メンバーを一緒にやろう」と声をかけたり、同世代に興味・関心を持ってもらえるイベントの企画に協力してもらったりと、活動への参画意識を刺激することに力を入れたのだ。すると1人、また1人と若い世代が運営側に携わるようになり、今では半数以上の「まち」で、子育て世代がリーダーを担っているという。「子育て世代が運営すると、『まち』の活動に同世代が参加しやすくなる。そうした地域のコミュニティの存在はこれまで生協に関心のなかった若い世代の加入や、利用定着につながっている」と小林専務理事は説明する。

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