コープさっぽろの売場を激変させた「大惣菜化プロジェクト」に迫る!
出来たて総菜に道産PB、EDLP商品も!
では、実際にどのような売場・商品を展開しているのか。
導入店舗である札幌市内の「二十四軒店」の売場を見ると、まず青果売場では店頭の素材を使ったサラダやカットフルーツを販売する「八百屋のサラダ・果物」コーナーを展開。大きなガラス窓を採用した独立加工場を設けており洗練された雰囲気を放っている。
鮮魚部門では、店頭の鮮魚を使った煮魚・焼き魚などの魚総菜を「魚屋のお惣菜」と銘打ちコーナー化。総菜部門でも、これら青果、鮮魚の総菜が集積されており、なかには精肉部門の素材を使った「肉屋のお惣菜」コーナーもある。
大見理事長は、「プロジェクトの導入店では全体売上高が以前より5%ほど増加する効果が出ており、手応えを感じている」と語る。20年12月末までに導入店舗を約30店まで増やし、21年にも同様に新たに30店規模で展開する計画だ。
こうした付加価値商品を拡充する一方で、節約志向にも対応する。食品を中心とした約200品目を対象にEDLP(エブリデー・ロープライス)の価格政策を適用し、月次で対象商品を入れ替え、特設売場を設けて低価格を訴求する取り組みを始めている。
そのほか店舗で目立ったのが、コープさっぽろのプライベートブランド(PB)商品だ。北海道産原料や道内製造にこだわって品質を追求するほか、商品の特徴や栄養成分がわかりやすいパッケージデザインを採用しているのが特徴だ。
たとえば「道産生乳とてんさい糖だけの飲むヨーグルト」は、道産生乳を原料の約9割と贅沢に使用していながら、1本500mlで税抜198円と低価格を実現した商品だ。二十四軒店では主通路上の平台で売り込んでいた。
大きく変わりつつあるコープさっぽろの店舗事業。コロナ禍は生協の店舗事業が息を吹き返す機会にもなるかもしれない。