コロナ禍のいまこそ考えたいコンビニ飽和論 打破のヒントになるのは鈴木敏文氏のある金言

ダイヤモンド・チェーンストア編集部
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コンビニの現在地

公取委がCVS本部の問題点を指摘

 「コンビニエンスストア(CVS)のフランチャイズチェーンビジネスは実によくできた仕組みだ」

 かつてCVS市場が急成長していた時に、ある食品スーパーの幹部はそうつぶやいた。

 CVSが日本に上陸して約50年。日本フランチャイズチェーン協会によると、2019年にCVSの国内総店舗は5万5620店にまで増えた。だが、加盟店と本部の関係にはほころびが目立ちはじめ、加盟店からは不満の声が漏れている。「よくできた仕組み」も軌道修正を迫られているのだろうか。

 あるCVS関係者は話す。「コロナ禍で売上が増えない中で、CVS本部も本音では加盟店に24時間営業の見直しや見切り販売をやってほしくないと考えていますよ」

 CVS本部が加盟店に対し、「見切り販売をしたら契約を解約する」と通告したり、加盟店に無断で本部が商品を発注するなどの問題が発覚し、昨年あたりから加盟店をなおざりにする本部のあり方の是非がマスコミで取りざたされてきた。

 今年9月には公正取引委員会(公取委)が「コンビニエンスストア本部と加盟店との取引等に関する実態調査」を発表。加盟店への24時間営業や仕入れ数量の強制など独占禁止法上の問題を指摘した。公取委としては、調査結果を発表し、注意喚起を促すことで、本部の行き過ぎに対する抑止力としたいというねらいがあったとみられる。

 しかし、コロナ禍の現在、現場はどうだろうか。24時間営業問題や見切り販売の是非をめぐる議論をはじめとした、CVS本部と加盟店との対立は以前ほどの勢いはなくなっている。加盟店にとっても、本部にとっても、これ以上営業時間の短縮などを進めれば、従来のような収入が維持できるかどうかわからないためだ。

加盟店との対立は「CVS飽和論」に起因?

 ところで、こうしたCVS本部と加盟店の関係悪化は「CVS飽和論」に起因しているのではないか

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