第259回 渥美俊一の遺言、「100」という数字の魔術

2020/10/10 05:50
文=樽谷哲也(ノンフィクションライター)

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評伝 渥美 俊一(ペガサスクラブ主宰日本リテイリングセンター チーフ・コンサルタント)

震えてならなかった手

 ビッグストア、やがてチェーンストアへと発展する店舗数の節目ごとに、過去の自社の成長体験だけでは切り抜けることのできぬ「関所」、やや緩やかに形容するのなら「踊り場」に否応なく直面する。その避け難き宿命をいかに乗り越え得るか、また、企業組織全体を大胆に作り変えるかを、アメリカのチェーンストアの先例を徹底研究し、また日本にあってはペガサスクラブ会員企業の実勢を執念深く追究していたからこそ、渥美俊一は己の経営指導は過去の経験法則から導き出されたのであり、絶対といっていいほどの自信を持っていた。

すかいらーくの茅野亮(ちの たすく)は、2001年3月のインタビュー取材で、食料品店ことぶき食品の社長としてレストラン業への転換をめざしてペガサスクラブのセミナーに「通い始めてまもないころ」のこととして、笑いながら懐かしんだ。

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