植物置き換え食品市場の開拓に動くイオンがPB「ベジティブ」投入、成功のカギは?

大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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成功のカギは「おいしさ」の実現

 もう1つ、イオンが同シリーズで支持獲得を図るべくこだわったのが「味」だ。「結局、美味しくなければ、いくら健康や環境に配慮された食品でも、トレンドは一時的なもので終わってしまうと考える」(和田氏)。

 そこで筆者は実際に、「ひよこ豆と玄米からつくったスパゲッティタイプ」(240g・298円)と「豆乳からつくったクリームソース」(80g・128円)を使ったパスタを試食してみた。

ひよこ豆と玄米からつくったスパゲッティタイプ」(左)と「豆乳からつくったクリームソース」(右)
ひよこ豆と玄米からつくったスパゲッティタイプ」(左)と「豆乳からつくったクリームソース」(右)
見た目はカルボナーラパスタのようだ。クリームソースは、生クリームを使用していないのに十分なコクがある
見た目はカルボナーラパスタのようだ。クリームソースは、生クリームを使用していないのに十分なコクがある

 感想としては、やはり従来のクリームソースパスタとは、味も食感も多少異なる。しかし、麺はもちもちした食感で、クリームソースは、生クリームを使用していないのに十分なコクがあり、おいしく食べることができた。

 また通常のナショナルブランド商品と大きく変わらない低価格を実現しており、金銭的な負担を感じることなくふだんの食卓に取り入れられそうだと感じた。

 植物性原料食品の市場開拓に乗り出したイオン。食品小売のリーディングカンパニーが動き出したことで、今後、国内市場が大きく広がる可能性もありそうだ。

記事執筆者

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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