植物置き換え食品市場の開拓に動くイオンがPB「ベジティブ」投入、成功のカギは?

大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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「トレーダー・ジョーズ」、「ホールフーズ」参考に商品を3つに分類

 「ベジティブ」シリーズはイオングループの「イオン」「イオンスタイル」「イオンスーパーセンター」「マックスバリュ」の計約2000店で販売。品目数はこれから順次、拡大していくという。

 商品開発は、「ホールフーズ・マーケット(Whole Foods Market)」や「トレーダー・ジョーズ(Trader Joe’s)」といった、米国の食品スーパーの先進事例を参考に進める。商品化の方向性を大きく3つに分類し、①「魚や肉」を、大豆をはじめとした「豆類」に、②「牛乳」を、アーモンドやココナッツ、大豆などの「物性ミルク」に、③「カリフラワーライス」のように、米や小麦などの穀物を、「ブロッコリー」「カリフラワー」に、それぞれ置き換えていくという。

「大豆イソフラボン含有 豆乳ヨーグルト プレーン」(400g・178円)は、「牛乳」を「豆乳」に置き換えた
「大豆イソフラボン含有 豆乳ヨーグルト プレーン」(400g・178円)は、「牛乳」を「豆乳」に置き換えた

 しかし、国内では植物性原料の食品に対する、消費者の関心や知識はまだまだ高いとは言えない。同シリーズの浸透を図るには、商品の情報発信や売場での提案が重要となる。

 そうしたなかイオンは、シュレッドチーズであればチーズ売場で、というように、既存のカテゴリー売場で着実に提案することで、購入につなげるという。

 イオントップバリュ取締役マーケティング本部長の和田浩二氏は「大量購入されるような商品ではないため、大量陳列のようなかたちではなく、定番の売場でしっかり品揃えし、デジタルツールなども活用しながら商品の価値を伝える。そうすることで『今回は“植物置き換え”食品にしてみよう』と、少しずつ食生活に取り入れてもらえるようにしたい」と話す。

写真右は「豆乳とココナッツオイルからつくった まろやかシュレッド」(200g・298円;以下、税抜)。「大豆からつくったハンバーグ」との組み合わせを提案している
写真右は「豆乳とココナッツオイルからつくった まろやかシュレッド」(200g・298円;以下、税抜)。「大豆からつくったハンバーグ」との組み合わせを提案している

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記事執筆者

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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