あとがき ユニー“中興の祖” 家田美智雄さんに心酔、「家田ノート」がバイブル
その後のユニーの数奇な運命
さて、その後のユニーは、数奇な運命をたどっていく。
1997年にグループ連結売上高で1兆円を突破。そしてグループ内再編に力を注いだ。
とくに次世代の基幹事業と目したコンビニエンスストア(CVS)事業において顕著な動きを見せた。
1998年にグループのサークルケイ・ジャパンは、長崎屋が立ち上げ、当時は小野グループ傘下にあったサンクスアンドアソシエイツと資本業務提携。2001年にはサンクスアンドアソシエイツを完全子会社化し、2004年にはサークルKサンクスが誕生する。
2006年に伊藤忠商事と包括的業務協力契約を締結。2008年、ユニーは家田さんが起こしたユーストアを吸収合併する。
2013年にはユニーグループ・ホールディングスが発足し純粋持ち株会社に移行した。
そして2016年、CVS大手のファミリーマートと経営統合し、ユニー・ファミリーマートホールディングスが生まれた。2018年には、「サークルK」「サンクス」の屋号が廃止され全店舗が「ファミリーマート」になる。
だが、その体制も長く続くことはなかった。
2019年、ユニー・ファミリーマートホールディングスはGMS(総合スーパー)事業を分離し、ユニーの全株式をパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)に売却。ユニーはPPIHの完全子会社になった。
現在、ユニーは、PPIH傘下の事業会社として、44店舗を展開する①UDリテール(神奈川県/ 片桐三希成社長:ユニーとドン・キホーテのダブルネーム店舗を運営)と147店舗の②ユニー(愛知県/関口憲司社長)という2つの会社となり企業活動をしている。
流通業界の特徴は、専門家でも予測不能な動きのダイナミズムにある。
佐々木さんがユニーの社長のバトンを受けたときに、この未来の現実を想像できた者は1人もいなかっただろう。