コロナで大きく伸びたネットスーパーのこれからと、食品卸の対応は?

森田俊一(流通ジャーナリスト)
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「コロナでネットスーパーは大きく伸びた」――。ネットスーパーを展開している小売業は異口同音だ。ネットスーパーはこれまで、なかなか採算に乗らず負担が先行してきた食品スーパー(SM)が少なくないが、コロナ禍による巣篭もりで一気に表舞台に躍り出た。「新常態」では「ネットスーパーのウエイトが高まる」と考える小売業が少なくない。SMにもネットの時代が到来しようとしている。そうした中での食品卸の対応は?

ネットスーパーの拡大が食品卸に与える戦略上の変化とは?写真はイメージ(Kiwis / istock)
ネットスーパーの拡大が食品卸に与える戦略上の変化とは?写真はイメージ(Kiwis / istock)

急拡大するネットスーパー市場

 新型コロナウイルス(コロナ)の感染拡大が始まった今年3月以降、多くのネットスーパーのサイトでは配送は注文してから4日先、5日先はまだましで1週間後、10日後に届く枠しか空いていないということがザラだった。消費者が店舗での密状態を避け、一斉にネットスーパーに頼ったからだ。

 コロナ禍での異常値だから仕方ない面もあるが、ネットスーパー利用者の急増にインフラがついていかないSMも少なくなったとみられる。食品卸も同様だ。店頭だけではなく、ネットスーパーの需要を見込んだ配送の手当てもしなければならないなどコロナ禍で予期せぬ需要増加に戸惑った卸も少なくなかった。

 流通業においてネットスーパー市場の拡大は「帰らざる河」だ。すでに、

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