トライアルが福岡県宮若市と連携して「街づくり」に着手する理由

2020/09/25 05:55
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    トライアルホールディングス(福岡県)が、福岡県宮若市と連携協定を結び、同市内にリテールAI技術開発拠点「リモートワークタウン ムスブ宮若」を開設することを発表した。長年「小売とITの融合」を追求し、直近ではAIカメラやスマートカートを導入した「スマートストア」を九州および関東で展開し注目を集めているトライアル。今回新たに「街づくり」という壮大な構想を明らかにした背景とは。

    トライアルグループのAI開発拠点を開設

    トライアルは福岡県宮若市と連携協定を締結し「リモートワークタウン ムスブ宮若」を開設する
    トライアルは福岡県宮若市と連携協定を締結し「リモートワークタウン ムスブ宮若」を開設する。写真左からトライアルの亀田晃一社長、宮若市の有吉哲信市長

     トライアルホールディングス(以下、トライアル)は9月18日、福岡県宮若市とリテールAI技術開発拠点「リモートワークタウン ムスブ宮若」(以下、ムスブ宮若)の開設等に関する連携協定を締結した。

     ムスブ宮若はトライアルと宮若市が協業する「まちづくりプロジェクト」に位置付けられ、市内にある公共施設や商業施設の跡地を活用し、トライアルグループのオフィスや開発拠点、店舗、ホテル、飲食店などを順次開設していく。

    ムスブ宮若に開設予定の施設(トライアル発表資料より)
    ムスブ宮若に開設予定の施設(トライアル発表資料より)

     まず、2021年5月末に、廃校になった旧宮田西中学校と旧吉川小学校を改装し、トライアルグループのAI技術の開発拠点を開設する。ここにはグループ傘下のRetail AI(東京都)の開発担当者を中心に、グループ内でAI研究を担う社員が集まる予定だ。

     21年6月には、同じく廃校となった旧笠松小学校の跡地に、「ファッションビレッジ」を設置する計画。ここではトライアルではこれまで手薄となっていたアパレル・ファッション領域において、モノづくり・販売手法・接客に関する新しいモデルづくりを、最新のテクノロジーを活用しながら行う。トライアルの亀田晃一社長は、現時点では具体的な取り組み内容については決まっていないとしたものの、「間違いなく取り組むことになるのはライブコマース。デザイナーやパタンナー、インフルエンサーに集まってもらいながら、外部と連携してファッションの発信基地をつくりたい」と言及した。

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