連載 スーパーマーケットの2020 #3 バローホールディングス

2020/08/24 05:45
森田俊一(流通ジャーナリスト)

食品スーパー業界で今後起こるとされる再編において、主役の1社となるかもしれないと言われているのが、バローホールディングス(岐阜県:以下、バローHD)だ。18年に北海道.東北を地盤とするアークス、中国.九州で事業を展開するリテールパートナーズとともに「新日本スーパーマーケット同盟」を立ち上げ、食品スーパー連合の中軸として名乗りを上げた同社。コロナ禍収束の見通しは依然として不透明であるなか、中部の雄はどう動くのか。

バロー

ドラッグストアにホームセンターも

 バローHDは、1950年代後半から全国に広がった「主婦の店運動」を源流とする。1958年に創業者の伊藤喜美氏が「主婦の店」を立ち上げ、食品スーパーを展開し始めた。そして、伊藤氏の娘婿である田代正美氏(現・会長兼社長)が、食品スーパー業界3位となる規模にまで育て上げた。

 イオン(千葉県)の岡田卓也名誉会長が一時期、力を入れていたように、バローHDもドラッグストア、ホームセンターなど食品スーパー以外の業態を展開し、独自の近隣型ショッピングセンター(NSC)を構築することで、消費者ニーズを多角的にカバーする体制を築いてきた。

 現在、営業収益に占める業態別内訳は、食品スーパーが約55%、ドラッグストアが約20%、ホームセンターが約17%。売上高構成比の半分以上を占める主力業態の食品スーパー事業では、競争力の高いフォーマットづくりに力を注ぐ。グループ企業のタチヤ(愛知県)が強みとする、生鮮食品のカテゴリーキラー的な要素を持ったフォーマットを展開するなど、田代会長兼社長が言うところの「ハイブリッド型チェーン」を志向しているところだ。

足元業績は絶好調!

 コロナ禍に伴う巣ごもり消費の活発化により、特需に沸く食品スーパー業界。ご多分に漏れず、バローHDの直近業績も絶好調だ。2021年3月期第1四半期(20年4~6月)業績は、営業収益が対前年同期比11%増の1830億円、営業利益が同2.76倍の90億円と増収・大幅増益を果たしている。

 新型コロナウイルス感染拡大による巣篭もり消費の拡大を受け、主力事業の食品スーパー事業をはじめ、ドラッグストア、ホームセンターも大きく伸長した。

 第1四半期における実績を主要セグメントにみていくと、「スーパーマーケット事業」は、営業収益が同8.0%増の992億円、セグメント利益は同3.34倍の63億円と驚異的な伸びを示している。「ドラッグストア事業」は、営業収益が同13.2%増の384億円、セグメント利益が同36.6%増の11億円と、ともに2ケタの伸びを記録。「ホームセンター事業」も、営業収益が同29.4%増の342億円、セグメント利益が同2.43倍の26億円となっている。

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