レジ袋有料化が後押し?コンビニが進める「レジ作業の分散化」

宮川耕平(日本食糧新聞社)
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顧客にはレジに並ぶメリットがない

顧客が買物中にスキャンする「ローソンスマホレジ」(公式YouTubeより)
顧客が買物中にスキャンする「ローソンスマホレジ」(公式YouTubeより)

 課題は多いとしても、ローソンのように商品スキャンと決済をセルフサービスにすることは、小売の未来を指し示しています。スーパーでも、トライアルグループやイオンリテールがそれぞれの仕組みでセルフサービスによる商品スキャンと決済に取り組んでいます。

 レジ経由でなければやれなかった商品スキャン・決済・袋詰めを分散化していくことで、店は作業負荷の軽減に、顧客にとってはレジ待ちのストレス解消につながります。この分散はレジへの人の集中を緩和することであり、まさにコロナ禍で求められている買物のあり方です。一気にレジレス化が実現するわけではないとしても、コロナ禍という不測の事態も含め、時代は着実にレジ作業の分散に向かっているように思われます。

 レジ袋の有料化も、環境保全の流れというよりは、むしろレジ作業の分散化の流れの中にあるトピックだと思うほどです。以前ならレジに並ぶ行為には、決済という義務を果たすだけでなく、レジ袋がもらえるので商品を持ち帰りやすくなるというメリットがありました。さらに、持ち帰ったレジ袋は家庭ゴミの袋になるので生活必需品を取得するという動機もありました。

 今やどうでしょう。レジ袋をもらえるわけでもないのに、レジに並ばなくてはいけないことにモヤモヤする昨今です。

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