改革進むも課題は山積…… 上場総合スーパー売上ランキング2020

森田俊一(流通ジャーナリスト)
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「GMSの優等生」は……

 ランキングは図表の通り。

上場GMSの営業収益ランキング * Olympicグループは連結

 3位は中国、四国、九州地方で展開するイズミ(広島県)。同社の20年2月期業績(単体)は、営業収益が7001億円(同1.9%増)、営業利益が260億円(同10.7%減)と増収・営業減益だった。

 巧みなGMSの運営手法に定評があり、「GMSの優等生」と呼ばれることも多い同社。ただ、19年10月の消費税増税以降、同社の既存店売上高の低迷しており、最近ではコロナ禍の影響も大きく出ている。同社は、大型SCタイプの店舗も複数展開しており、影響がどれほどの規模になるか不透明な状況で、2021年2月期通期業績(連結)では減収を見込む。

 4位は平和堂(滋賀県)で、2020年2月期(単体)の営業収益は前期から横ばいの3748億円、営業利益は同9.0%減の96億円だった。店舗展開するの中国の景気減速などにより、営業減益に沈んだ。

 5位は愛媛を地盤に中四国で事業展開するフジで、2020年2月期(単体)の営業収益は3033億円と前期と横ばい。新規出店や既存店改装により微増収を果たしたものの、販売管理費の上昇を抑えきれず、営業利益は減益となっている。

コロナ直撃で2020年度は大苦戦

 GMS再生に明確な道筋をつけられていないGMS各社。追い打ちをかけるように、2020年度に入ってからは、新型コロナウイルス感染拡大により各社は苦戦を強いられている。

大手3社の2020年3~5月期業績を見ると、イオンリテールは、営業収益は対前期比12.4%減の4682億円、284億円の営業赤字となった。イトーヨーカ堂は、営業収益が同17.4%減の2487億円、営業利益は同約3倍の11億円。イズミも、営業収益が同19.0%減の1490億円、営業利益が同4.4%減の63億円(連結ベース)と、減収・営業減益に沈んだ。

 日常の食品販売をメーンとする食品スーパーとは異なり、GMSは衣料品や住居関連品なども扱っており、コロナ禍を受けての外出自粛の影響が直撃している。

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