「選ばれ続ける」店になるために… お客を感動させる方法!

成田直人
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身近な工夫で、お客を熱狂させる

 「感動」と聞くと果てしなく難しいことのように思うかもしれません。そこで、まずは身近なところから工夫をすれば確実に顧客が熱狂する店を作ることができる、ということを身をもって知るところから始めていきましょう。

 大切なのは顧客自身が「大切にされている」という実感を積み上げていくことです。ぞんざいな扱いを受けたり、入店中にストレスのもとになるような回遊構造になっていると「私は大切にされていない」と思いますよね。そうした店はどれだけ魅力的な商品があったとしても顧客を熱狂させ続けるのは難しいです。今後は商品力だけで勝てる時代ではなく、店内の回遊構造、店員の態度、活気(ブランドによる)、快適さなどが求められます。

 ぜひ一度従業員同士で考えていただきたいのは、「この店がどうなれば大切にされているという実感が得られるのか?」。これをテーマに自身の売場を回遊してみましょう。「もっと通路が広い方が良いのではないか」「ここに目印があった方が絶対にわかりやすい」など、ちょっとしたひと工夫から、「この棚は170センチくらいあればいいけど、背の低い人には取りにくい。とってもらうにも店員がいつも少ない」など、売場自体を改善するアイデアも出てくるでしょう。

 まずは、できることから改善をしていきながら顧客が熱狂する店を作っていくことが大切です。こういう改善案は、会議室で鉛筆舐めながら議論をするのではなく、開店前に一緒に売場を回りながら議論することが重要です。朝は脳がリフレッシュしている状態ですから、沢山のアイデアが出てくるのです。もっとも、これを義務化してしまうと「もっと早く出勤するなんてあり得ない!」と思う方も出てきますから、「店のためにもっと力になりたい」と思う方や時間に余裕のある方から挙手制で始めてみると良いと思います(もちろん手当も忘れずに!)。

 「どうしたらもっとお客様が喜ぶか、感動するか」の問いを続けることで入荷検品や品出し、在庫管理をしている業務時間中もアイデアが生まれるようになります。このアイデアを忘れないうちにノートにまとめられるように「感動ノート」(普通のキャンパスノートでOK)を用意して自由に記入できるようにしましょう。そのアイデアの質は問わず実現するために何ができるかを議論していけば顧客に選ばれ続ける店舗を作ることができるはずです。

なりた・なおと
19歳でABCマートアルバイト個人売上日本一を獲得。マネージャーになり昨年度対比1位、2位の原動力となる。その後、PC専門店PCデポに入社し、7ヶ月で個人売上1億円を達成。翌年、「良い」よりも「成果が出る」をモットーに小売・サービス・飲食業専門コンサルティング会社「株式会社FamilySmile」を創業。現在は、一部上場企業を中心にコンサルティング・研修・講演を手がけ多くの店舗で昨年度対比120%を達成。中には、3年で売上2倍になる店も続出するほどコンサルティングには定評がある。その功績が認められ日本三大褒章の一つ中小企業のノーベル賞と言われる「東久邇宮文化褒章」を受賞。セミナー講師ナンバーワン決定戦「S-1グランプリ」初代グランプリを獲得。

 

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