ツルハホールディングスの店舗網が40都道府県に拡大 新社長の鶴羽順氏は何を語ったか?

小木田泰弘(『ダイヤモンド・ドラッグストア』誌副編集長)
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精肉・青果の委託販売を約270店舗追加する

――21年5月期は新型コロナの影響を受けながらのスタートになった。

鶴羽社長 215月期の計画を策定するにあたって、新型コロナ関連の需要増は盛り込んでいないが、インバウンド売上はゼロを前提にした。

 新規出店は130店舗を計画。閉店はインバウンド対応の9店舗を含む47店舗。期末店舗数は83店舗の純増を見込んでいる。

 新PBの「くらしリズム」は、215月期末までに700SKUをめざす。なかでも、ヘルス&ビューティでの付加価値商品の開発を進め、「くらしリズム」と旧PB「エムズワン」の合算売上は400億円(同7.7%増)を計画している。

 デジタル戦略は重点施策のひとつだ。現在、スマホアプリのダウンロード数は80万件にとどまっているが、7月から「花王マイレージクラブ」とのポイント連携を図るなど、ダウンロード促進策を打つ。また、グループ店舗2000店舗以上という規模のメリットを活かし、各メーカーさまからの販促協力を得ながら、顧客に合わせた最適な商品提案、新規顧客の獲得につながる商品提案を可能にする、DMP(データマネジメントプラットフォーム)の構築もめざしていく。

 人員配置の適正化も図る。事業会社ツルハではシフト作成支援システムを導入済みだが、新型コロナの影響もあって、人件費コントロールにどれだけの効果が上がるかの検証ができていないが、今後、その影響が軽微になれば、効果検証が可能になる。ツルハ以外の事業会社での導入を検討していきたい。

 前期、ツルハグループドラッグ&ファーマシー西日本で効果が得られた、精肉・青果の導入・委託販売取扱い拡大も進めていく。委託販売だから、店舗のオペレーションに負担なく進められ、来店頻度の向上、新型コロナ下で顕在化したワンストップショッピングのニーズにも対応できる。205月末の導入店舗は約380店だったが、215月期には約270店舗を追加する。

 これらの施策により215月期は、売上高は対前期比2.3%増の8600億円、営業利益は同0.4%増の452億円、経常利益は同0.4%増の464億円、当期利益は同3.2%減の270億円を見込む。既存店売上高は同0.3%を前提にした。期末店舗数は2233店舗を計画している。ただし、いずれについてもJR九州ドラッグイレブンは含まれていない。

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