巣ごもり消費でも来店したくなる お客様が企業SNSから知りたいこと

2020/07/17 05:55
    竹内謙礼 いろは代表取締役
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     なお、新型コロナウイルスの政府の対策に関する話は、SNSでは極力、配信しないほうがいいだろう。お客様によっては敏感に反応してしまう話なので、流した情報で顧客離れを引き起こしたり、炎上案件になってしまったりする恐れもある。ネガティブな話はできるだけしないようにして、不用意なコロナ禍の予測や政府への不満や愚痴は、胸の中にしまっておいたほうが得策といえる。

     SNSの情報発信は、「やり続ける」ことではじめて成果が発揮される。最初の2週間は新鮮な気持ちで情報発信に取り組むことができるが、やがて反応が鈍いことや、投稿するネタ作りに困り、1ヶ月後ぐらいにはSNSから遠ざかっていってしまうのが、SNS初心者が躓くお決まりのパターンになる。

    お客様に伝えたい思いを持ち続ける

     長く続けられない理由は、お客様に「伝えたい」という思いがないからである。

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    「感染に恐怖して、家で閉じこもっているお客様たちに、少しでも元気になってもらいたい」という思いがあれば、SNSで発信する情報は湯水のように湧いてくるはずだ。お客様からの反応がなかったとしても、自分がお客様に「伝えたい」という思いさえあれば、情報発信のネタに詰まることはない。

     それが「ない」ということは、今までお客様のために商売をしてきたのではなく、自分自身のためだけに商売をしてきたからではないだろうか。お客様のことよりも、自分自身のことを第一優先に考えてきたために、すぐに売上にはつながらないSNSでの情報発信に熱意が傾けられなくなってしまうのである。

     自己中心的な経営者のお店や会社に、お客様が思いを寄せてくれるはずがない。まして、社会が危機的状況に陥った時に、お客様が助けに来てくれるはずがない。

     コロナ禍では、自分自身を守ることで精いっぱいの人が多い。しかし、そのような中でも「お客様のために」と思える気持ちが、お客様の心を動かすSNSの情報発信につながっていくのである。

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