アフターコロナで生き残る店、消える店

成田直人
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顧客を集めるための資本よりも
顧客が集まる評判が重要な時代に突入

 これまでの勝ち方は「新規集客コストと利益のバランス」にありました。駅近に出店すればそれだけ家賃も上がりコストは嵩みます。しかし、コストを上回る集客(利益)があればOKでした。残念ながら今は、飲食店を選ぶ際に「駅近だから」「安いから」というよりもGoogle マップ上で近隣の飲食店を探し、口コミをチェックしてから高評価の店を予約するという流れに変わりました。

 この流れは他の業界にも派生するでしょう。飲食店をGoogle マップで調べるようになると自然と他の店もGoogle マップ上で調べるようになります。スーパーもガソリンスタンドもホームセンターも同様です。「あっここにある!」と検索するだけでなく、「口コミ評価」も選択基準に今後はなります。

 今ここまでお読みいただいて、「それでも近場で済ませるでしょう」と思うかもしれませんが、近隣に口コミ3点(30件)の店とちょっと離れたところに口コミ4.9(2000件)の店があり、「子連れに優しい」と高評価の店があったらファミリー層は後者を選択すると思いませんか?まだマップ上での口コミ評価の絶対数が多くないので評判で顧客が来る、という視点にピンときていないかもしれません。しかし、当社クライアントの多くは各店舗300〜1400件の口コミと平均4.5点以上の口コミを獲得しているところが多い(地域で圧倒的評価)のですが、日に日に集客に好影響を与えていることを実感しています。

  しかも、ここにかかるお金はゼロ円です。まだチラシでお客様が集められている店はもちろん続けていただきながらも口コミやSNSの顧客の声を意識しながら集客の導線を再検討することが重要だと思っていただけたら嬉しいです。

 次回は、良い口コミが集まる店づくりの方法についてお話しします。どうぞお楽しみに!

 

なりた・なおと
19歳でABCマートアルバイト個人売上日本一を獲得。マネージャーになり昨年度対比1位、2位の原動力となる。その後、PC専門店PCデポに入社し、7ヶ月で個人売上1億円を達成。翌年、「良い」よりも「成果が出る」をモットーに小売・サービス・飲食業専門コンサルティング会社「株式会社FamilySmile」を創業。現在は、一部上場企業を中心にコンサルティング・研修・講演を手がけ多くの店舗で昨年度対比120%を達成。中には、3年で売上2倍になる店も続出するほどコンサルティングには定評がある。その功績が認められ日本三大褒章の一つ中小企業のノーベル賞と言われる「東久邇宮文化褒章」を受賞。セミナー講師ナンバーワン決定戦「S-1グランプリ」初代グランプリを獲得。

 

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