アフターコロナ時代のBCPその2 小売業の近未来予測と投資するべきサービス

2020/06/11 05:55
クニエ 小売・流通インダストリー 山縣 荘平

ウィズ・コロナの
消費行動はこう変わる!

 全3回でお届けする本連載の第1回では、従来のBCP(事業継続化計画)による危機対応と、新型コロナウイルス感染症の危機対応との違いについて述べた。

 この感染症は、終息まで1~3年を要すると言われ、長期に渡る感染リスクと隣り合わせの生活は、消費者の行動と価値観を変える。よって、小売業者はBCPの枠を超えて、近未来を予測し、事業戦略を見直すことが必要になるのである。

 そこで新たな消費スタイルのキーワードとして、「①消費・販売行動の場所と時間の分散」「②安全・安心と快適性の両立」、それを支えるための「③テクノロジーを活用したハイタッチ・ロータッチサービスの拡充」の3つをあげた。第2回ではその中身と、そのうえで小売業が投資するべきサービスについて筆者の仮説を述べていきたい。

リモートワークの普及により、オフィスが集中する都心部の人の流れは大きく減少する。それに伴い、都心部の店舗に集中していた利用は郊外の店舗に分散される
リモートワークの普及により、オフィスが集中する都心部の人の流れは大きく減少する。それに伴い、都心部の店舗に集中していた利用は郊外の店舗に分散される

都心部に集中していた需要が
「郊外」や「オンライン」に分散

 政府からの外出自粛要請により人々の生活は大きく変わった。企業はリモートワークや時差勤務、週休3日制などの活用を進め、消費者はオンラインショッピングをこれまで以上に利用するようになった。

 そして、こうした今までとは異なる経験やサービスに人々は少しずつ慣れ始めている。もし、感染拡大の第2、第3の波が起きるようなことがあれば、「一時的」と考えていたこの生活が、より人々の身体に染み込み、定着していくものと考えられる。

 そこで進むと想定するのが「①消費・販売行動の場所と時間の分散」だ。1~2年後には、リモートワークは抵抗なく行われ、時差勤務や週休3日制などは当たり前の就業ルールになるだろう。これによりオフィスが集中する都心部の人の流れは大きく減少し、それに伴い、都心部の店舗に集中していた利用が、郊外の店舗に分散される。

 また、オンラインショッピングも幅広い世代が利用するようになる。そうなると、商品群によってはリアル店舗での売上高比率が低下する。消費者の「買う場所」は、オンライン、オフラインにかかわらず、その瞬間にいちばん便利な場所が選択されるようになり、その結果、利用時間が分散され、ピーク時間がなくなっていく。

 

感染リスクを極小化するために、キャッシュレス決済やセルフレジの利用が一般化してくる
感染リスクを極小化するために、キャッシュレス決済やセルフレジの利用が一般化してくる

キャッシュレスやセルフレジ
利用が一般化する!

 「②安全・安心と快適性の両立」については、長期化する感染リスクと隣り合わせの外出自粛生活のなかでも、消費者は快適に、便利に過ごすための学習を重ねていく。    

 こうした環境下でも「ショッピング(買う楽しみ)」という欲求は消えることはないため、どうすれば感染リスクを極小化しながら、その欲求を満たしていけるかを消費者一人ひとりが考え始め、それぞれの新しい消費スタイルを創り上げていくのだ。

 それを支えるために必要となるのが、「③テクノロジーを活用したハイタッチ・ロータッチサービスの拡充」だ。感染リスクを極小化するために、非接触サービスの利用が進み、購買パターンとして定着化していく。とくにキャッシュレス決済やセルフレジの利用は一般化してくるだろう。

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