オイシックス・ラ・大地、21年に物流キャパを約3倍に拡大 コロナを踏まえた事業計画を発表

『ダイヤモンド・チェーンストア』編集部 松尾友幸
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海老名に新物流ステーションを開設

 213月期の事業計画ではコロナの影響を踏まえ、3つの施策を打ち出す。1つめは、食品の宅配需要増に対応するための安定的な出荷体制の構築だ。現在、主力ブランドであるOisixの物流は神奈川県海老名市にある「海老名ステーション」が担っているが、219月には同市内に新たな物流ステーションを開設する計画となっている。新施設の出荷キャパシティは従来の約3倍となる予定だ。

オイシックス・ラ・大地は21年9月に神奈川県海老名市に新たな物流ステーションを開設する計で、同施設の出荷キャパシティは従来の約3倍となる
オイシックス・ラ・大地は21年9月に神奈川県海老名市に新たな物流ステーションを開設する計画で、同施設の出荷キャパシティは従来の約3倍となる

 それに先駆け、今期はすでに神奈川県藤沢市に「サクッと!Oisix」専用のサテライトセンターを開設した。同サービスは4月末から開始されており、「選ぶのに時間がかかる」という顧客の声を受け、Oisixの人気商品を厳選し、より短い時間で買物・調理を済ませられるように考案されたものだ。

 また、らでぃっしゅぼーや専用の「座間ステーション」の一部を利用してOisixの「お試しセット」の出荷に活用している。20年秋にはさらにサテライトセンターを増設し、新海老名ステーション開設までのキャパシティを補完する考えだ。

 2つめは、コロナによる食のニーズ変化に対応した成長戦略の実施だ。Oisixでは前述した「サクッと!Oisix」のほか、健康・免疫志向の高まりに対応した「時々ヴィーガンコース」、家族での食事機会が増えたことによる34人前メニューの拡充など、さまざまな施策を打ち出す。

 3つめは、収益性強化施策の実行だ。ヤマト運輸との協業で行う「ベジネコプロジェクト」では、生産者からの集荷を同社に集約し、調達物流費を削減する。203月期第4四半期から長崎県で本格稼働しており、213月期第2四半期までには九州全土での運用を開始する予定だ。また、豚肉の加工や青果物のリパック作業などを内製化し、食のSPA化によるコスト削減も図る。このうち豚肉の加工については、現状30%の内製化率を今期中に約70%まで高める考えだ。

 213月期、オイシックス・ラ・大地は売上高710億円(同10%増)、営業利益30億円(同22%増)、EBITDA44億円(同22%増)、当期純利益12億円(同52%増)をめざす。コロナ禍での食品宅配の需要急増は同社にとって追い風となっているものの、物流キャパシティの拡充などの課題も抱えている。コロナを契機にさらなる成長を果たすことができるか、その手腕に注目が集まる。

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