スポンサーがつくアパレル、つかないアパレル……名門レナウンの破綻は業界再編の序章

河合 拓
Pocket

コロナショックで、生かすも殺すも金融機関次第

 そこに「コロナショック」がやってきた。政府は、日常必需品以外の嗜好品の営業活動をとめ、「(売上構成比の10%しかない)ECで買え」といい、日本のアパレルに引導を渡したのである。結果、Amazonだけが大儲けし、日本のアパレル企業は、生かすも殺すも金融機関次第、という状況になったのだ。

 帝国データバンクによれば、2016年の時点で、すでに日本で20,000社あるといわれるアパレルの半分が昨対割れ、17年には、ほぼ全てが昨対比を割る状況だという。

  いまだ、アパレルが破産宣告をしないのは、緊急事態宣言で政府が銀行に対してリスケ(支払いの延長)をさせ、借金を先延ばしにしたり再権圧縮(貸したお金をなかったことにする)をしキャッシュフローをやりくりしているからだ。

  しかし、営業活動がストップしていれば、売上の半分を12で割った金額が、毎月アパレルの貯金から減ってゆくことは書いた通りだ。つまり、こうしたラットレースはいずれ破綻する。銀行もそろそろ会社を潰した方が得か、生き永らえさせた方がよいのかソロバンをはじきだした。

1 2 3 4 5

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態