コロナウイルスで大変な今だからこそ店舗がやるべきこと

成田直人
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コロナウイルスで失ったものばかりに目を向けない

「コロナウイルスの感染拡大で失ったものは何ですか?」

 自身のクライアントに対して、私はこの質問を投げかけました。すると多くの企業から「売上、利益」という返答がありました。きっとあなたの店も同様の回答になると思います。ではこの質問はいかがでしょう。

「では、コロナウイルスで得られたものは何ですか?」

「えっ得られたもの?そんなのあるわけないだろ!」と怒りたくなるかもしれません。失ったものばかりに目を向けても気持ちは落ち込むだけだし、行動力が落ちて事態はさらに悪くなる一方です。だからこそ、得られたものにも目を向けて希望を失わないことが重要です。

 改めて、得られたものは何でしょうか?

 それは「時間」です。

 多くの店舗が外出自粛もあり客数が劇的に減っています。こんな状況下で唯一生まれたのが時間です。店が暇になって得られた時間を何に使うかで、コロナウイルスが終息した後の店舗経営が180度変わります。終息前よりも成長させることもできる店もあれば、売上が思ったよりも上がらずに低迷する店もあるでしょう。もちろんあなたは前者を選びたいはず。

 では具体的に時間を何に使うと、終息後、店舗の売上を成長させることができるのかでしょうか。

 

「作業効率をあげるためにどうしたらいいか?」を考えよう

一部の買い占め時期を除いて、店舗が暇になるとその分現場もゆったりしたものになります。すぐにその環境に慣れてしまうため、終息後にピークが突然やってくると現場はあたふたし、クレームが激増するリスクがあります。それを避けるには、常に現場をピークの状態に持っていくこと。そのためにも日ごろからの準備を欠かさないことが重要です。

 例えば今まで1時間かけてやっていた入荷検品を1時間半かけても問題がないとします。これを1時間半でやるとすぐに慣れてしまうため、すぐには1時間に戻すことができなくなります。1時間で終わらせる仕事は1時間で終わらせるよう指導をし、空いた30分で1時間の入荷検品の効率化を検討する時間に充てます。普段は忙しすぎて各々の仕事を効率化するという視点を持つことが難しいので、このタイミングで入荷検品をはじめとしたすべての作業のプロセスを明確にして効率化できるものはないか?を検討しましょう。そうすることで1時間かかっていたものが50分で終わり、終息後も10分間の余裕が生まれます。今時間があるからこそじっくりと店舗内の作業を見直してみませんか?今までと同じ仕事を同じ手順で時間をかけるだけではせっかく生まれた時間を有効活用できません。

 残る2つについては、46日月曜日に公開します。まずは、この週末、作業効率を上げるにはどうすればいいかに取り組んで、次にすべき2つのことを楽しみにしていてください。

なりた・なおと
19歳でABCマートアルバイト個人売上日本一を獲得。マネージャーになり昨年度対比1位、2位の原動力となる。その後、PC専門店PCデポに入社し、7ヶ月で個人売上1億円を達成。翌年、「良い」よりも「成果が出る」をモットーに小売・サービス・飲食業専門コンサルティング会社「株式会社FamilySmile」を創業。現在は、一部上場企業を中心にコンサルティング・研修・講演を手がけ多くの店舗で昨年度対比120%を達成。中には、3年で売上2倍になる店も続出するほどコンサルティングには定評がある。その功績が認められ日本三大褒章の一つ中小企業のノーベル賞と言われる「東久邇宮文化褒章」を受賞。セミナー講師ナンバーワン決定戦「S-1グランプリ」初代グランプリを獲得。

 

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