彷徨うコンビニその7 山崎製パンがデイリーヤマザキを手放せない事情

森田俊一(流通ジャーナリスト)
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仮に身売りとなれば……

 しかし、デイリーヤマザキ事業も正念場を迎えている。19年12月期も16億円の営業赤字となり、これで8期連続の赤字を計上した。山崎製パンもあの手この手でテコ入れを図っているものの、抜本的な対策は見つけられていない。

 前期も「月次ベースから週次ベースへ業務執行体制を見直す」として、単品別売上、粗利などの重点管理指標を週次で集計し、週次ベースで問題点を把握して迅速な対応を図るという内部改革を打ち出したが、これも守りの策だ。

 ただ、山崎製パン関係者の1人は「どんなに赤字が続こうと、デイリーヤマザキ事業を止めたり、売ったりすることは絶対にない」と話す。その大きな理由として山崎製パンとして流通業全方位と取引があるからだ。

 セブン-イレブンだけでなく、ファミリーマート(東京都)もローソン(東京都)も山崎製パンにとっては重要な取引先である。仮に、どこかに身売りということになれば、他チャネルとの取引の継続に支障を来たしかねない。

 そうした事情もあって、山崎製パンは、デイリーヤマザキを持ち続けてテコ入れを続けるしかないという宿命を背負っている。しかし、山崎製パンは上場企業であり、株主のことを考えると、赤字事業を放置するわけにもいかない。山崎製パンの次の打ち手が注目されている。

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