有事に活躍するホームセンター 台風15号、19号にカインズはどう対応したか?

高浦佑介 (ダイヤモンド・ホームセンター編集長)
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台風15号、19号で迅速な対応
本部と店舗で情報連携

 台風15号のときは、まず被災地域で営業の可否の判断が求められた。営業を続けることで「社会のインフラ」として地域住民に貢献するという側面がある一方、お客、従業員の安全を最優先に守らなければならない。台風15号は風の影響により広範囲で停電が続いたため、電気が復旧するまで6店舗を営業停止にした。

 台風19号の際は、事前に規模が大きいことが予測されたことと、15号の対応が続いていたため、緊急対策体制を維持し続けた。「15号と19号でほぼ同じメンバーで臨むことができたため、19号では15号での経験も活かし、店舗・本部とも役割ごとに各メンバーが自律的に対応にあたることができた」と緊急対策本部長の根岸充氏は振り返る。

 19号は豪雨災害の特色が強く、川の氾濫により、想定以上に内陸部の被害が大きかった。被災エリアの店舗では、上陸した当日の午前中には営業停止の判断を下した。翌朝からはのべ200人の本部メンバーが現地に応援に入り、復旧作業に取りかかった。

 最終的には、55店舗で営業を停止したが迅速に営業を再開、3店舗が閉鎖。閉鎖店舗のうち「カインズ大平店」(栃木県栃木市)は1218日に営業を再開した。

 根岸氏は「店舗メンバーは自分たちも被災者でありながら、地域住民の安全のために最善を尽くしてくれた。本当に頭が下がる思い。今回の学びと反省を踏まえ、今後の自然災害により迅速に対応できるよう、本部が責任をもって仕組みの改善を進めていきたい」と語った。

※台風15号、19号のHC各社の対応は『ダイヤモンド・ホームセンター2月15日号』で詳細にレポートしています

ダイヤモンド ・ホームセンター2020年2月15日号 「コーナン商事 本気で業界トップとるんや!」
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記事執筆者

高浦佑介 / ダイヤモンド・ホームセンター編集長

2010年東京大学文学部卒業、12年同大学院修士課程(社会心理学)修了。14年ダイヤモンド・リテイルメディア入社。『ダイヤモンド・チェーンストア』誌の編集・記者を経て、19年4月より現職。

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