京都発のラーメン店「キラメキノトリ」、吉野家HD入りで描く新たな成長戦略
ラーメンを通じた社会貢献活動にも注力
キラメキノ未来の取り組みは、店舗運営にとどまらない。「ラーメンを通じて社会貢献」をテーマに掲げ、以前から子ども食堂へのラーメン提供などを行ってきた。
この社会貢献の文脈で近年、とくに注力しているのが、京都で社会問題化している放置竹林への対策だ。竹林の竹をメンマに加工し、商品として提供するプロジェクトを推進している。この取り組みにより、高齢者にとって、仕事や地域活動として新たな関わりの場を生み出している。

さらに活動は地域の支援学校との連携にも広がり、生徒たちが伐採から調理までを体験し、自ら作ったメンマをトッピングしたラーメンを味わうなど、食育の機会も創出している。「われわれのこうした活動が吉野家HDの広報体制を通じて広く発信されるようになったことも、グループ入りの大きなメリットだ」と久保田氏は語る。
ラーメンを“地球食”へ キラメキノトリの今後の成長ビジョン
今後の展望について久保田氏は、「京都から世界へ」「ラーメンを日本の国民食から世界で愛される“地球食”へ」という夢を語る。その実現に向け、吉野家HDが持つ海外展開のノウハウや仕組みは大きな力となるだろう。
一方で、同社が直面する大きな課題が人材確保である。飲食業界全体が深刻な人手不足に悩む中、同社も例外ではない。人口減少に伴う構造的な課題は根強いものの、「吉野家HDのグループ会社」という安心感は、求職者にとって大きな魅力となっている。
「一個人の力では大企業を築くことは難しいが、M&Aにその壁を越え、より大きな規模の企業づくりが可能になる。大企業の考え方に触れることで、会社を成長させるための大きな力を得られたと感じている」と久保田氏は話す。

吉野家HDが掲げる中期経営計画において、ラーメン事業は新たな成長の柱と位置づけられている。その中で「自分たちがどれだけ貢献できるのか、プライドを持ってチャレンジしていきたい」と久保田氏は意気込む。京都で生まれたキラメキノトリが、いまや大手外食グループの成長の一翼を担いながら、次のステージへと進もうとしている。











通常の冷食売場比で売上2 倍の店も イオンリテール、@FROZEN の最新MD 戦略