Backlogとハングアウトを使い、遠隔で会議と業務を効率的に進める方法

神南文弥 (じんなん ぶんや) 
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新卒採用者の定着を図り、社内組織の協力体制を構築

 今回は、ITツールを使い、会議の効率化を図り、働きやすい職場づくりをしている事例と言える。最近は増えてはいるが、これはある意味での盲点があるケースなのだ。私が導いた教訓を述べたい。

 

ここがよかった ①
ITツールの効果的な使い分け

 最近は、ビジネスの現場で従来のメールや社内のイントラネットに加え、チャットツールやスカイプ、フェイスブックなどを使うケースが増えている。しかし、その使い分けとなると、一部では混乱している場合すらある。それぞれのツールの効果や用途が社員たちに十分には浸透していないとも言える。言い換えると、ツールを使う際の業務の内容や課題が正確に理解されていないと捉えることができる。実は、これは盲点なのだ。

 たとえば、今回は、会議で外部のエンジニアとのITツールを使う話し合いに参加するのは、取締役のみ。この会議には、相当な範囲で権限を握る取締役が1人で概ね決める。しかも、ふだんから取締役がエンジニアと「Backlog」を使っているから深い話し合いになる。最後に社長が加わり、承認をするほうが効率的で、合理的と判断をしたためだ。このように会議の目的や意味を心得ているから、ITツールの使い分けができるのだ。

 

ここがよかった②
不要な話し合いはしない会議

 会議で無駄な雑談をする場合があるが、これも効率化を妨げる一因になっている。この事例では、トップ自らがそれを認識している。「ITツールを使うほどに、そのような会議を減らすことができる」のは、確かにその通りだと私は思う。だが、「会議の場で不必要なことは話し合わないようにしている」ことを理解し、実践している会社は依然として少ないのではないだろうか。

 この会社の規模ならば、社長や役員の考えが相当に大切だ。つまり、経営陣の明確な考えや意識→業務の内容や意味、目的の正しい理解→ITツールの使い分けとなる。この一連の流れがないと、まず上手くはいかない。私の観察ではこの流れをつくらないまま、各部署や個々の社員がバラバラに、ゲリラ的にITツールを使っているのでないだろうか。

 

神南文弥 (じんなん ぶんや) 
1970年、神奈川県川崎市生まれ。都内の信用金庫で20年近く勤務。支店の副支店長や本部の課長などを歴任。会社員としての将来に見切りをつけ、退職後、都内の税理士事務所に職員として勤務。現在、税理士になるべく猛勉強中。信用金庫在籍中に知り得た様々な会社の人事・労務の問題点を整理し、書籍などにすることを希望している。

 

連載「私は見た…気がつかないうちに部下を潰した上司たち」はこちら

 

 

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