ミニストップのソフトクリーム専門業態「MINI SOF」の戦略と未来像とは

構成:編集プロダクション雨輝
取材:阿波 岳 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

コールドスイーツに定評のあるミニストップ(千葉県/堀田昌嗣社長)。同社は昨今、看板商品であるソフトクリームに特化した専門業態「MINI SOF(ミニソフ)」の展開に力を入れている。そのねらいや戦略について担当者に話を聞いた。

トレーラーユニット型店舗の「新百合ヶ丘オーパ店」(神奈川県川崎市)

7店舗を展開、トレーラー型店舗ではドリンクメニューを強化

 ミニストップのソフトクリーム専門業態「MINI SOF(ミニソフ)」は、2018年に出店した最初のソフトクリーム専門店「Softcream Timeイオンレイクタウンkaze店」(埼玉県越谷市)を原点としている。その後、20年には現在のブランド名となる「MINI SOF」の第1号店「横浜ポルタ店」(神奈川県横浜市)をオープンした。

 ミニソフの店舗では、「ソフトクリーム」「のむソフトクリーム」「メルティーソフトクリーム」といったシリーズを中心に、約25品目をラインアップ。さらに、期間限定メニューやコラボ企画も展開している。イートインスペースのある店舗ではパフェメニューを充実させ、トレーラーユニット型の店舗ではドリンクメニューを強化するなど、店舗の特性に応じた工夫を凝らしている。

 同社の職域・with MINISTOP本部 FF専門店事業部部長の小泉輝芳氏は、「ソフトクリームを切り出して専門店として展開できないかという、社内プロジェクトからスタートした」と開発経緯を説明する。

 一時は14店舗まで拡大したが、コロナ禍の影響を受けて縮小。現在は関東に5店舗、東海に2店舗の計7店舗を展開している。「百貨店の食品フロアやショッピングモール内、カウンターのみのトレーラーユニット型など、異なる立地・業態で営業してきた中で、収益性や集客力の高い店舗が現在も残っている。これまでに得た知見を生かし、拡大局面にある」(小泉氏)という。

 また、ミニソフ店舗の運営に加え、イオングループ各社にミニストップのソフトクリームの原料やノウハウを提供する「with MINISTOP事業」も展開中だ。これにより、イオンベーカリー(千葉県/木原弘恵社長)やダイエー(東京都/西峠泰男社長)、マックスバリュ関東(東京都/平田炎社長)さらにはミニストップが出店していない沖縄県を事業エリアとするイオン琉球(沖縄県/鯉渕豊太郎社長)などでも、ミニストップのソフトクリームが楽しめるようになっている。

 ミニソフ単体での売上は非公開だが、255月の同事業の既存店売上高は対前年同月比10%増と好調に推移している。好調の要因について小泉氏は、「『ミニストップのソフトクリーム専門店』としての認知向上を目的とした販促や、人気YouTuberとのコラボ企画など、ターゲット層の拡大をねらった企画が奏功した」と分析する。また、「こうしたミニソフ事業で得たノウハウは、ミニストップ本体にも積極的に還元していきたい」としている。

 

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取材

阿波 岳 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

大学卒業後、社会の荒波にもまれる日々を経験。そこで書籍や会報誌の編集に携わるうちに、メディア事業への興味が芽生え、今に至る。
趣味は喫茶店巡りと散歩。喫茶店での一杯のコーヒーや、街角の散策を生きがいとしている。
これまで全都道府県を制覇するという小さな目標を達成した。何かを極めたり、制覇したりすることには、なぜか人一倍の熱意を注いでいる。
最近の悩みは、ここ数年で増えた体重との戦い。健康の大切さを意識しつつも、喫茶店のコーヒーに合わせたスイーツや、ランチの大盛りがやめられない。今日もまた元気に「大盛で!」と注文しつつ、明日こそ控えめにしようと心に誓っている。

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