不二家のブランド力を結集! 新業態「ペコちゃんmilkyドーナツ」とは

上林 大輝 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)
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ドーナツ×ミルキーで生み出した新たな商品

 そもそも、主に洋菓子店を展開する不二家が、なぜこのタイミングで“ドーナツ”の新業態を展開しようと考えたのか。金田氏は「多くのお客さまに不二家の商品を楽しんでいただきたいという思いがある。不二家というブランドを長く、多くの人に支持していただくには、新しい取り組みが必須となってくる」と語る。

 実は不二家では、昭和30年代から「ソフトドーナツ」という商品を販売し続けている。柔らかい食感のドーナツに粉砂糖をまぶしたものだ。現在は毎週金曜のみ、地域限定での販売に留まってはいるものの、いまでもお客に好評で長年親しまれている商品だという。

 他方で国内では、22年にオープンしたドーナツ専門店「I’m donut?(アイムドーナツ)」がヒットの火付け役として知られる柔らかくしっとりとした食感が特徴の「生ドーナツ」をはじめとして、若者の間で「第5次ドーナツブーム」が巻き起こっているとされている。

 こうしたなか、ドーナツに造詣が深い役員からのアドバイスにより、同社で長年親しまれるソフトドーナツと、看板商品であるミルキーを組み合わせた“不二家らしい商品”が作れないかと考え、24年の春頃から商品開発に着手。ミルキーの風味を感じられる「milkyドーナツ」の開発に成功した。

ショーケース(提供)

 「ペコちゃんmilkyドーナツ」の主なターゲット層は若者世代だ。実際、同商品は若手のメンバーが中心となり、開発されたという。不二家の社員の平均年齢は36.1歳と、業界内でも比較的若く、金田氏は「普段から若者目線の意見やアイデアを取り入れる風土がある」と話す。「ペコちゃんmilkyドーナツ」の商品開発においては、ターゲットである若者世代をねらいつつも、“自分たちでも買いたくなるような商品”を軸に開発に取り組んでいるという。

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記事執筆者

上林 大輝 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

2000年生まれ。埼玉県出身。法政大学文学部英文学科卒業後、地方新聞社の営業職を経て株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。

流通小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部で執筆・編集を行う。

趣味はお笑い鑑賞、音楽鑑賞。一番好きなアーティストは椎名林檎。

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